VANのボタンダウン

2017年10月28日

(アトリエサンロクゴ) atelier365 形態安定 長袖Yシャツ【礼服】【ドレスシャツ】【ワイシャツ】/ 6041-bd-zaiko-L-41-82

僕が初めてボタンダウンシャツを手に入れたのは高校2年のことでした。

高校のクラスメートの中に、彼の兄の影響を受けてか、なかなかおませな友人がいて、ある日、彼が詰襟の学生服の中に「VANのボタンダウン」を着て登校してきました。「VANのボタンダウン」を自慢げに見せる彼の傍らで僕は、その頃はVANが洋服のメーカーであることも、ボタンダウンシャツの何たるかも知らず、ただ襟先にボタンが付いているワイシャツという認識しかありませんでした。

ある日、家の近所の洋品屋さんの店先で「ボタンダウン」のワイシャツが売られているのを見つけて、しかも安かったので購入しました。
翌日、颯爽とこのボタンダウンを着て登校し、その友人に「ほら、VANのボタンダウン」と言いながら見せました。

しばらく僕のボタンダウンを見た後「なんだよ、これ。 にせものだよ」と即座に否定され、周囲の笑いものになりました。「VANのボタンダウンじゃなければだめだよ」と彼は言いますが、僕にはさっぱりわかりません。「銀座のテイ・メンで売ってるよ」と教えられ、おおまかな地図を書いてもらってその週末に行ってみたのです。

あった。「テイジン・メンズショップ」の略だったのですね。

何となく風格あるたたずまいのお店で、近所の洋品屋さんとは格が違う感じさえしました。恐る恐るお店に入り、「バンのボタンダウンはありますか?」
そんな、何も知らない高校生を、しかしスタッフはにこやかに「こちらになります」とエスコートしてくれます。

あった。そこにある「VAN」の3文字の織りネームのタグが付いたボタンダウンシャツ。これが「VANのボタンダウンかぁ」この時初めてVANとはメーカーの名前で、ボタンダウンとはシャツのデザインのことだと知った次第。

僕が買ったボタンダウンとは生地も、作りも明らかに違っていました。

しかし、高い。40年前で確か3,600円だったかと記憶していますが、高校生の身にはその場で買える価格ではありませんでした。しかし、テイジンメンズショップで初めて見て、手にとって広げてみた「VAN」の「ボタンダウンシャツ」は僕の心に強く焼き付けられました。

「よし、買う」

その日から節約とアルバイトの日々が始まります。

1975年秋のことです。