ギンガムチェックのボタンダウン

2017年10月28日

(コーエン) COEN ギンガムチェックオックスボタンダウンシャツ 75106505086 67 Olive L

親からもらう昼食代と、本屋のアルバイト、そしてお年玉をかき集めて資金を作り、銀座のテイジン・メンズショップへ進撃です。そして初めて買ったボタンダウンシャツがギンガムチェックでした。白地に水色のギンガムチェック。もちろん、VANのものです。オックスフォードの白いボタンダウンを買う予定だったのですが、そのギンガムチェックにひとめ惚れしてしまったのです。

嬉しかったですね。本物のボタンダウンであり、本物のVANの製品です。意気揚々と銀座から家に帰り、改めて広げてみます。宝物です。しかし、しばらくして気がつきました。

「ズボンは何を合わせればいいのか」

高校生で、洋服に興味がなかった事もあって、手持ちのワードローブといえば学生服と、お馴染みの近所の洋品屋さんで購入したメーカー不明のGパン(懐かしい響きですね)くらい。どちらも、どうにもこのシャツには合わないというのは視覚的にも、感覚的に悟りました。

友人に相談します。 「兄貴がいるから相談しよう。 うちに来いよ」と誘ってくれます。そこで、ギンガムチェックのボタンダウンを持って友人の家にお邪魔しました。

お兄さんは社会人1年生くらいだったと記憶しています。部屋の中にはVANのステッカーや「COMEonSPORTSMAN」のポスターに負けじとコカ・コーラのポスター、ブリキの看板、デリバリートラックのミニカーなどが所狭しと飾られており、何となくワクワクする気持ちになったのを覚えています。以後、コカ・コーラにも興味を持つことになるのですが。

彼は僕のボタンダウンを見て、押入れを開けるとずらりとぶら下がっている洋服の中からベージュのスラックスを出してきて、ベッドの上にギンガムチェックと上下で平置きしました。学生服のスラックスとも違うし、Gパンとは明らかに違う素材感と手触りです。

「このシャツにはコッパンだよ」後にコットンポプリン製のパンツの略だとわかるのですが、「コッパン?色的にコッペパンみたいだからか?」まだ、そんなレベルでした。でも、上下で合わせるとなるほどしっくりくる。僕が本当に何も知らないのだと理解してくれたお兄さんが、1冊の雑誌を渡してくれました。

「基本的な事が書いてあるから貸してやる。 研究しな」

その雑誌こそ、永く僕のバイブルとなる「MEN’S CLUB」だったのです。

1976年の3月の終わり。そろそろ進路も決めなければいけない時期でした。