若者も貧困世代となるかもしれない「貧困世代」

2018年4月7日

貧困世代 社会の監獄に閉じ込められた若者たち (講談社現代新書) | 藤田 孝典 |本 | 通販 | Amazon

貧困世代というとどのような年齢層がイメージされるでしょうか。高齢者で年金暮らしで生活費もギリギリで貯金もほとんどない人やひとり親世帯で一人で働きながら子供を育てている世帯、ワーキングプアーといわれるような、仕事をしたくてもなかなか正社員の仕事はなくアルバイトなどで何とかその日その日の生活を頑張るのに精一杯の人、貧困世代といっても、貧困というキーワードからは様々な世代が想像されるかもしれません。

この本での貧困世代はそのような中で、高齢者よりも大変な現代の若者について書かれています。現代の若者の貧困問題はその時、数年後にすぐに解決するということもあるかもしれませんが、ワーキングプアから何らかの手助けや政策がない限りなかなか脱げ出せないということが増えてきているようです。自分の力で抜け出せないのなら、何かしらの支援が必要とはなりますが、そういった支援体制は整っておらず、仕事探しの上手くいかない若者もどうして良いか分からないかもしれません。

具体例として栄養失調に陥った野宿していた20代の男性や、ブラック企業に努めてうつ病になってしまった20代男性の話しものっています。ブラック企業は最近はよく聞く言葉にもなってきましたが、過重な労働は人の精神状態も壊してしまうのです。

若者のワーキングプアの問題が一過性のものではないという認識をきちんと持つことが大切で、その後も続くこととなるであろう貧困問題の闇のなかに若者がいるという見落としがちな課題は、今の日本社会政策が産み出してしまった課題です。

多くの若者は希望を持ち、どのような仕事をしたいか、どんな会社で働きたいか、そのような希望で就職活動し頑張っています。けれども、全ての人が希望通りの就職は出来ていません。やる気があってもその気持ちを活かせる場所さえなかったりもします。

若者でも貧困世代となるという認識を社会が把握しワーキングプアからの脱却をできるような、若者への充実した支援により、一過性のものならない貧困問題を一過性のものとし、将来は社会を支えていけるような人材となっていけるような仕組みが必要であることがわかります。若者の貧困問題も解決しないようでは、高齢者などの貧困問題も解決がなかなかできなくなってしまいます。社会全体が支え合えるように日本社会が直面する貧困問題の認識を深めていく必要があることが分かります。