艦これチュートリアル 幕間 艦これがゲームとして優れているところ

艦これは作戦級ぐらいのシミュレーションウォーゲームとしてかなり優れた中身が実現できています。

擬人化されたキャラクターによるナンパなイメージの部分は表面だけで、まだいくつも穴があるにはありますが色々とよく考えられた戦闘システムが組まれています。

もちろん、単純化するところはしっかり、ガッツリと単純化されていますが。

そういったよりゲームの本質的な部分以外にも、実は艦これが非常に優れていると評価できる部分があります。

ネットワーク系のゲームでゲームシステムやシナリオの更新を続けていくタイプのゲームで問題になりがちな、非常にプリミティブな部分で艦これ運営はかなり頑張ってその部分を守っています。

長く続くゲームの課題は各種ゲーム要素の発散

某有名バトル系マンガでも恐らく作者が非常に苦労したところだと思うのですが、マンガにしろゲームにしろキャラクターに成長要素を持たせたものでは、長くタイトルが続くうちに主役となるキャラクターがどんどん強くなっていきます。

物語をきちんと成立させるには、敵役もそれに合わせて強くしないといけません。

何の制約も課さずにキャラの成長をそのまま表現し続けていると、物語が長く続くとキャラクターが指数関数的に強力になっていずれは発散してしまいます。

この辺りがマンガであれば物語を続けられなくなってしまう理由になったり、ゲームであればゲームシステムの酷い歪みを生む一因になります。

艦これのゲーム設計、運営が優れている、と最初に書いたのはこの部分です。

4年以上たってもインフレを起こしていないゲーム要素

艦これのゲーム運営にはあれこれユーザーの不満も出ていたり、実際に問題も発生させていたりはしますが、このゲームの各種要素がインフレを起こしていない、という部分に関しては素直に運営側を高く評価して良いと思います。

発散、どころかインフレにさえなっていないぐらいのうまい運営が出来ています。

そのあたりはゲームのローンチ当初から非常にじっくりとシステムを練っていたのかもしれません。

艦これではある艦が味方の艦の強さの上限の縛りになっていて、かなりの部分で未だにその上限を突き抜けないよう慎重な実装が続けられています。

戦艦であれば大和型の各種強さを超えないよう新しい艦の性能が微妙に調整されていますし、空母系であれば加賀を一つの性能キャップとしてそこを極端に突き破ることがないようかなり微妙な性能調整が行なわれています。

空母に関しては火力等では加賀は既にトップクラスではありませんが、未だに艦載機の搭載機数の上限を守っていて、これを超えないよう新しい空母の性能調整に運営が頭を絞っていることがうかがえます。

この辺りの上限を一度破ると、あとは性能の発散しかなくなりますからね。

また、艦これでは艦の成長要素が取り入れられているものの、艦のレベルを上げても向上する性能の幅がかなり限定されています。基本的には、成長によっても艦自体の基本性能をから大幅に強くならないよう、成長システムが計算ずくで組まれています。

このため艦の成長で極端にゲーム性が変化しない作りになっていると言えます。

もちろん改造して「改」や「改二」にすることで性能は大きく向上しますが、これも艦のレベルよりも改や改二になっていることの方がずっと大きく作用します。

一言でまとめるなら、Lv80の改二艦とLv100の改二艦では性能に極端な差はありません。

ユーザーの「やり応え」とのバランスがより難しく

味方の艦の能力を大きく向上させられないシステムのため、これが敵艦隊の強さも間接的に縛る形になっています。

これに対してユーザー自体はプレイ慣れや攻略サイトなどの登場で能力が大きく上がっています。

こういった兼ね合いでイベント時の高難易度海域の作りはかなり難しくなっているのでしょう。最近のイベントでは、通称「ギミック」といった攻略のための「仕掛け」の作り込みで難易度のバランスを取るのが主流になってきました。

ユーザーの能力の格差もゲーム歴が4年以上ともなると極めて大きくなります。

システム側の縛りとユーザー層の拡大で、ハイエンドユーザーも納得するイベント海域のやり応え、それと、ライトユーザーのプレイアビリティの両立がそろそろ厳しくなりつつ印象もありますね。

そろそろ艦これにも「二期」のお話が聞え始めていますが、システム面の限界をクリアする意味でも大規模なシステムアップグレードが必要な時期にさしかかっているのかもしれません。