立ち上がり始めたUSB PDと対応モバイルバッテリー、ACアダプタ
世の中のデジタルガジェットの各種外部インタフェースは、電源供給も含めてどうやらUSBコネクタに集約していく形になりそうです。
しばらく前からスマートフォンの電源供給端子はマイクロUSBが使われていて、今は少しずつ少しずつUSB Type-C形状への移行が始まりだしています。
パソコンはUSB Type-Cへの移行が逆に遅れているガジェットですが、こちらのジャンルもまずは薄型のノートパソコンからUSB Type-Cの浸透が始まっています。
上下どちら向きでも装着可能な便利性はもちろんのことですが、薄型ノートパソコンではUSB Type-A形状のコネクタでも本体の厚さの制約になってしまいますから、Type-Cコネクタの薄さがパソコン自体の設計も楽にする、という事実があります。
そんな状況の中、周辺機器ジャンルでもUSB Type-Cコネクタの採用と合わせUSB PDが立ち上がり始めました。
先日取り上げたAnker製のモバイルバッテリーもそうですが、それ以外の会社からもUSB PD対応製品が登場し始めています。
今回は株式会社フォースメディアが販売する、最大60WのUSB PD出力に対応する大容量モバイルバッテリー、PQIが発売したUSB PD対応のACアダプタ・急速充電器を取り上げます。
また、今ちょっと問題になっているかもしれないUSBのケーブルの状況もまとめてみます。
USB PD対応大容量モバイルバッテリー「世界超速」
株式会社フォースメディアの販売する大容量モバイルバッテリー「世界超速」は、容量26,800mAhの大容量を実現した機種です。
通常持ち運びを考えるタイプのモバイルバッテリーとしては、最大容量クラスと言っていいぐらいの製品になるかもしれません。
一般的なスマートフォンならば、電力の変換効率によるロスを考えても4回とか5回程度のフル充電が視野に入る容量と言えるでしょう。
それに加え世界超速では、最大60Wもの出力を可能にしたUSB PD対応の機能が備わります。
電圧出力は5、9、12、15、20V出力の5種類に対応。
20V出力時にも3Aの電流出力を可能にすることで最大60Wの給電に対応しています。
この機能により、スマートフォンだけではなくノートパソコンの充電も十分に視野に入る能力を手にした製品です。
また電流出力能力に余裕があるため、iPhone Xの充電ではバッテリーが空の状態から30分で約50%までの充電を出来る、真の急速充電対応となります。
電流出力のポートは、USB Type-Aを2つ、Type-C形状のものを1つ備えていて、複数の機器の同時充電も可能です。ただ、トータルの電流出力には限りがあるはずですので、どこまで急速充電が可能かは機器の組み合わせにより変化するはずです。
この製品の弱点的なものとしては、モバイルバッテリーとしては重めの本体というところは上げておいた方が良いかもしれません。
しっかりした作りの筐体になっていて、外部からの衝撃による事故は少なそうなのですが、その分と大容量のバッテリーの関係で640gの重量があります。
使う機材との組み合わせをちょっと考えないといけないケースも出てくるかもしれませんね。
ただ、最大60Wの出力はかなりのインパクトがあります。かなり高性能のデスクノートタイプでもこのバッテリーからの出力だけで動かせますから。
PQIのUSB PD対応ACアダプタ
PQIからは最大29W出力のUSB PD対応ACアダプタ・急速充電器である、「Smart i-Charger PD」が登場しています。