土工計画について(その1)盛土による計画

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例えば平坦な土地に盛土をして道路を造る場合、下から順に土を敷均し転圧して築いていきますが、盛土を構成する主要部分を「路体」と呼びます。

路体は路床を支えるもので、自重による崩壊に対して安全でなければいけませんし、平坦な土地が軟弱な地盤であれば、その対策として地盤改良するなどの軟弱地盤対策が必要になります。

盛土の安定を図るために、高さ5mを標準として1m~1.5m程度の「小段」を設けますが、その小段は、長い法面を短く区切ることによって、法面を流下する雨水の流速を落とし浸食を防ぐ役目もあります。

盛土の法面勾配は、その盛土高が5m以下であれば1:1.5(高さ的に1で横方向に1.5の勾配)とし、5mを超えれば1:1.8とするのが標準です。ただし段数が4段や5段になる場合は下の部分を1:2とかの勾配で緩くする場合もあります。

盛土法面には浸食や風化を防止するために、法面保護工として植生を行い緑化しますが、盛土法面の場合は種子散布工や張芝工が多いですね。

ちなみに種子散布工とは種子・肥料・養生剤などを水と一緒に混合してポンプを使って散布する工法です。法面の最下段には、法枠工といってコンクリート製の格子枠をはめ込んで表面の安定を図る場合もあります。

路体の上、舗装下面より厚さ1mの部分を路体とは別に「路床」と呼び、舗装からの荷重を直接支持する大事な部分になります。路床部分に使用する材料は、現地で得られる材料の中で良質の材料を用い、場合によっては良い材料を購入する場合もあります。

盛土といえば、その材料としては土を考えるのが普通ですが、現在では盛土を軽くして地盤に加わる負荷を軽減させることを目的とした、「軽量盛土工法」というのがあります。

初めは軟弱地盤対策として使用されていましたが、今では山岳道路のような急峻な斜面上で、土による盛土が不敵で、切土もあまり発生させたくないような場所で用いられるケースが増えています。

その土に代わる軽量盛土工法の材料として、合成樹脂発泡体を用いる工法があります。いわゆる発泡プラスチックのことで、代表的な物に発泡スチロールがあります。