土工計画について(その2)切土による計画

道路土工ー切土工・斜面安定工指針 平成21年度版

切土による計画とは、山などを掘削して道路を造る事ですが、その掘削する時の切取り勾配(切土法面勾配)をどうするかで工事費が大きく違ってきます。一般的には山の何箇所かをボーリング調査して、地質状況(岩盤の有無や硬さ)を確認してから決定します。

標準的な勾配としては、硬い岩盤が確認されれば1:0.5(高さ方向に1で横方向が0.5の勾配)の切取り勾配とし、軟岩の場合でしたら1:0.8、普通の締まった土砂の場合は1:1というように軟らかくなるにしたがって緩い勾配としていきます。

あまり締まっていなくて軟弱な層が確認されたら1:1.2や、盛土勾配と同じく1:1.5の切取り勾配とする場合も有ります。そういう場合は、円弧すべり計算を実施して、どの程度の勾配で切土すれば安定するかの検討を行い最終決定します。

切土法面も盛土法面と同様に、切土の安定を図り法面の浸食を防ぐために小段を設ける必要があり、標準として7mの高さ毎に1m~1.5m幅で小段を設けます。また、法面保護工として植生を行い緑化するのも同じで、土砂の部分はその種類(砂質土、粘性土など)により違ってきますが、種子散布工、客土吹付工、植生マット工などが採用されます。

岩部の場合は植生基材吹付工などにより緑化する場合と、モルタル吹付工やコンクリート吹付工として緑化はせずに、法面表面の風化や崩壊の防止に努めるだけの場合があります。

客土吹付工

種子散布工の材料に緑化基盤材を追加して、同じ機械で1cm~3cmの厚さで吹き付ける工法。種子散布工では発芽が望めない箇所で使用されます。

植生基材吹付工

法面に金網を張り付け、その上に基盤材、接着剤、種子、肥料を攪拌して均等に練り混ぜ吹付機で圧縮空気を使って3cm~10cmの厚さで吹き付ける工法。硬質土や軟岩、硬岩などの根の育成が期待できない法面に有効。

モルタル吹付工

法面に金網を張り付け、セメント、砂、水を攪拌して均等に練り混ぜ吹付機で圧縮空気を使って吹き付ける工法。厚さは10cm以内で8cm程度が主。