「マンガの王様」石森章太郎~SFマンガの巨匠が描くコミカルな世界
さるとびエッちゃん
転校生の猿飛エツ子、通称エッちゃんの物語です。エッちゃんは小さくて東北なまりのある女の子、だけど動物と話せ、猛スピードで走ったり空高く飛び上がったり出来ます。猿飛佐助の子孫という設定だったと思います。超能力という言葉は出て来ませんが、超能力を持った少女なのでしょうね。
そんな、可愛いエッちゃんが騒動に巻き込まれたり、それを解決したりする小学校を舞台としたコメディ漫画です。本当に可愛いし、石森章太郎も好きなキャラクターの一人だったのでしょうね~。「週刊マーガレット」や「少女フレンド」「なかよし」など、いろんな雑誌に多数掲載されました。雑誌によってはタイトルが、「おかしな おかしな おかしなあの子」だったり「おかしなあの子 さるとびエッちゃん」や「おかしなあの子」とかになっていました。
石森章太郎はSFマンガの第一人者だったと思っていますが、ギャグのセンスも抜群だったと思います。
気ンなるやつら
2回目の記事でちょっと紹介しましたが、月刊「平凡」で連載されていた高校生の6ベエとマリッペの物語。当初は、男の友達3人を加えた少年探偵団の様な話でしたが、次第に6ベエとマリッペの男女の仲をユーモラスに描かれる様になりました。
二人の家は隣同士で、二階に有るお互いの部屋から屋根を挟んで話が出来ます。
日本で初めてミニスカートが流行した頃に、マリッペがミニスカートで登場して、6ベエが「スカートも履かずに何しているんだ!」と叫んでいる場面が印象に残っています。
それと、マリッペが人魚の姿をして、両手で髪を束ねている場面が表紙になっている号が有りましたが、私はそれにもの凄く興奮してしまいました。その表紙が載っている号は親戚の家で見たのですが、欲しくて欲しくて黙って持ち帰ってしまいました。
また、6ベエとマリッペが傘をさしながら歩いているところを、上空から見たカットで描いている場面が有りましたが、セリフが一つも無くて、ただ往ったり来たりしているだけの場面でしたが、映画のワンシーンを観ている感が有りましたね。後に「うる星やつら」の作者である高橋留美子氏が、この場面を取り上げて絶賛していたのを覚えています。
石森章太郎は、映画的な手法をマンガにも積極的に取り入れていた訳です。