若鷹軍団Hawksの軌跡~秋山ホークス二度目の日本一
大型補強
リーグ4位に終わった2013年のオフに、ホークスは大型補強に乗り出しました。まず手始めに、日本ハムから鶴岡慎也捕手、中日から中田賢一投手をFAで獲得。ともに九州終身で、プロに入る前からホークス球団への憧れをもっていた選手です。中田投手がFA宣言する際に、同じ中日の荒木選手が「九州の野球少年なら一度は福岡ドームのマウンドに立つ夢を見る」というような事を言って、中田投手に理解を示していた事を思い出しました。
また、2012年にリリーフとして活躍した岡島投手の復帰が決定。更には、新外国人としてジェイソン・スタンリッジ、デニス・サファテ、ブライアン・ウルフの3投手と、4番打者候補として李大浩を獲得しています。外国人は他球団で実績を残した選手や解雇された選手が中心で、初めて日本に来る選手よりも、計算が出来る選手を獲得したいと思う球団の考えが反映された補強となっています。
日本一と秋山監督の退任
そうして向かえた2014年のシーズンですが、下馬評通りの戦いぶりで、交流戦を2位で通過すると、9月の初めには12球団で一番にクライマックスシリーズへの進出を決めました。ところが9月半ばから失速し、最終戦までの間を1勝9敗と信じられない戦いぶりになってしまいました。そして最終戦で2位のオリックスと対戦、これに勝てば優勝というぎりぎりの状態まで追い詰められていました。
ヤフオクドームで行われたこの試合も、シーズン同様に厳しい試合となり、同点で向かえた延長10回裏に、松田のサヨナラヒットで勝つという劇的な幕切れを演じてやっと優勝を決めました。最後は秋山監督も涙を流しながら、サヨナラヒットを打った松田と抱き合っていましたね。
しかし、秋山監督の退任が一部のマスコミに漏れると、10月14日に正式に退任が発表されました。ファイナルステージを向かえる前の発表となってしまいましたが、選手たちは動じることなく、日本ハムを4勝3敗で破りファイナルステージを突破。阪神との日本シリーズでは、多くの評論家が阪神有利を唱える中、見事に4勝1敗と蹴散らして3年振りの日本一に輝きました。日本一を決めた第5戦では、阪神の西岡選手の守備妨害という珍事で幕を下ろす事になりましたね。阪神ファンで有名な俳優の渡辺謙は毎試合見ていた様で、第5戦も福岡まで来て見ていた様ですが、「阪神は優勝する資格が無い」なんて事を言っていました。
こうして秋山監督の6年間は終わりを告げるのですが、この年のオフに秋山監督の奥さんが亡くなられました。奥さんの事が無ければ、まだ監督を続けていたかどうかは分かりません。ホークス球団は、王会長を中心に新たな監督人事を進める事になるのです。