「マンガの王様」石森章太郎が贈るSF感動巨編~リュウの道

2017年10月28日

リュウの道(2) (石ノ森章太郎デジタル大全)

石森章太郎の代表作と言えば、誰もが「サイボーグ009」と答えるでしょうね。でも私は「リュウの道」が石森章太郎の代表作だと今でも思っています。「リュウの道」はそれほど素晴らしい作品です。当時高校生だった私はそのスケールの大きさに驚き、そして感動しました。今でも私のこれまでの人生で出会ったマンガの中で、最高傑作だと確信しています。

あらすじ

2020年、日本初の恒星間宇宙船「フジ1号」に密航した、高校生の柴田リュウは乗組員に見つかり、冷凍睡眠の罰を受けてそのまま往復の旅をするハメになる。しかし、それでは可哀そうだと乗組員の計らいで、眠ったまま睡眠教育を受ける。そのことが後に、リュウの冒険の役に立つことになる。時が過ぎ、眠りから覚めたリュウだったが、フジ1号の乗組員は全員死亡していて、着陸した星は大自然が支配する荒れ果てた所だった。しばらくして、そこは人類が滅亡した後の地球だと気付いたリュウは、宇宙に脱出したロケット乗員の生き残りであるマリアという娘とその弟のジミイと出会い、猿人のベキらと共に文明を探す旅に出る。その旅先で待っているものは・・・・・魔境と化した地球や大自然の驚異、もはや人類は地球を支配する存在では無くなってしまっているのか・・・。やがてリュウは、サイボーグである老人のゴッドと出会うが、ゴッドは早くからリュウの存在に気付き見守っていたのである。睡眠教育のおかげで、いろんな知識を身に付けていたリュウに可能性を感じたゴッドは、行動を共にする決心をする。

私の願いは「リュウの道」の映画化

序章としてはこんな感じです。それから後の行く先々で描かれる冒険の数々は、まるで映画を観ているかのような感覚にさえなってしまいます。実際に「2001年宇宙の旅」や「タイムマシン」というSF映画を意識している部分が作品の中には有ります。ロボット都市での死闘と都市の崩壊、灯台を神と崇める人間たちとの争い、第三の目を持つミュータントのコンドルとの出会い、異次元からの侵入者、クローン人間である新人間(ニューマン)たちとの出会いと彼らの突然の死、そして最終章の「神」らしき物との対話と、地球にとって人類にとって必要な事は「愛の力」なのだという気付きなどなど・・・。私はこの「リュウの道」を読んだ時から、誰かこの作品を映画化してくれないかなと思っていました。それもアニメではなく実写版で。その願いはいまだ叶っていませんが、まだひそかに期待しているのですけどね~石森プロさん!