「マンガの王様」石森章太郎~心に残る作品の数々

2017年10月26日

石森章太郎読切劇場 (石ノ森章太郎デジタル大全)

SFマンガを始めとして、少女マンガや青年向けマンガ、時代劇、アニメ関係など数多くの作品を残してきた石森章太郎ですが、何分にも収集した作品を処分してしまったものですから、忘れている作品もかなり有ります。ネットで作品一覧とかを確認して、「そういえばこんな作品も有ったな~」と改めて思い出しています。作品のタイトルだけでは中身まではっきり思い出せない物も有りますが、その中で心に残る作品を幾つか紹介したいと思います。

怪人同盟

1967年に冒険王に短期連載された作品で、行方不明になっている間に、変身能力、予知能力、怪力という超能力をそれぞれ身に付けた3人の少年が、事件を解決していく物語。

青いけもの

1971年に発表された作品です。ヒョウに似ていて、身体が「深い青の毛皮に白い雲」のような模様に覆われた動物が、世界中に現れては、動物を密猟している者たちを襲う事件が起きます。 その動物こそ、地球が自分を守ろうとして生み出した分身で、「深い青の毛皮に白い雲」というのは地球を宇宙から見た模様なのです。

青い万華鏡

1973年に発表された短編で、石森章太郎自身のことが描かれています。仙台行の特急列車に乗っていた石森章太郎が、車内で一人の幼い少年と出会い、その少年が持っていた青い万華鏡を貸して貰って覗いてみたら、そこには幼い少年の姿が・・・それは子供の頃の自分自身。マンガばかり書いて両親から怒られていたことや、かばってくれたお姉さんの姿、そしてSLに乗り上京、トキワ荘時代の苦悩とお姉さんの死などが、万華鏡から見える情景として描かれています。

短編ですが、何年に発表されたかははっきりしません。 おそらく日本海側の北国の物語で、ある旅館の一室の窓から外をじっと見つめている一人若い女性の姿が見えます。 でもその部屋には誰もいなくて、窓に女性の姿が映ったまま残っているのです。何故そうなったのか?それほどまでに強い女性の思いとは・・・・・。 私はこの作品の表紙を見て、まるで一枚の絵画を見ているようだと思いました。 雪景色のその表紙はそれほど素晴らしくて、石森章太郎は一人の絵師というか画家でもあると思いました。

章太郎のファンタジーワールド ジュン

1967年に発表された漫画家志望のジュンのストーリー。縦割りや横割りのコマの中に描かれた絵が流れて行くだけの、セリフが殆どない作品です。どう感じるかは読む人次第。いろんな試みを絵だけで表現して、ジュンの心模様や成長を描いています。その斬新で才能豊かな作品は、多くの漫画家を嫉妬させました。先に紹介した「青い万華鏡」も同じような表現方法ですね。

この他にも「龍神沼」や「怪奇ハンター」「千の目先生」「星の伝説 アガルタ」「ザ・スターボウ」「G・Rナンバー5」「ギルガメッシュ」「ストレンジャー」「四次元半襖の下張り」、時代劇である「太陽伝」「佐武と市捕物控」などなど多数の面白い作品が有ります。今は電子コミックとして、ネットで読めるようになっている作品も有りますので、皆さんも興味を持たれたら読んでみて下さい。