谷繁元信の27年間

2017年10月28日

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中日、谷繁元信選手兼任監督が7月28日、阪神戦で通算3018試合に出場し野村克也の持つプロ野球の通算出場試合数を更新しました。

同じ捕手であり、そして同じ選手兼任監督でもある前記録保持者の野村克也は、現在は「名選手」というより「名将」の印象が強いですが、通算本塁打657と通算打点1988は共に王貞治に次ぐ歴代2位、通算安打2901も張本勲に次ぐ歴代2位。王貞治がいなければ日本球界最高のスラッガーは野村だったのは間違いないでしょう。

しかし野村が持つ歴代1位の打撃記録もあり、それが試合、打席、打数、犠飛の4つ。中でも出場試合数は今年谷繁が記録するまで、80年間あるプロ野球の歴史で唯一3000試合出場を果たした選手でした。

一方その野村の記録を更新した谷繁元信も、30歳前後は3割前後の打率と20本以上の本塁打を放つ強打の捕手としてバットでもチームに貢献し、横浜時代は日本一1回リーグ優勝1回。中日時代はリーグ優勝2回、日本一1回経験しました。

そして13年には捕手として野村、古田に次ぐ3人目の2000本安打を達成しましたが、06年ごろには既に打撃成績も下降し始めており、12年を最後に盗塁阻止率も3割を切っており選手として際どい成績ですが、それでも起用し続けられるということは捕手としての信頼度の高さを物語っています。そしてプロ入り27年目、そして監督2年目の今年。野村の持つ出場試合数の記録を更新しました。

今になってみれば高卒1年目にして80試合に出場するほどの早熟で出場機会に恵まれたこと、そしてその後も昨年まで27年間の現役生活中の内、20年間は100試合以上に出場し続ける体の丈夫さが、
この出場試合数を積み上げることの出来たと言えます。

その谷繁に対し野村は「休みすぎ」とぼやいていましたが、実際、谷繁は今季93試合中27試合にしか出場しておらず、ペース的には週1か2日の出場で、松井雅人に次ぐ二番手捕手です。

しかしその反面、ここ数年で谷繁を脅かす捕手が現れていないことも事実で、谷繁より7歳若い小田は昨年引退し、更に若い27歳の松井雅人も完全に一軍に定着し正捕手になるには至っていません。

近年の打撃成績や試合出場のペースはどうあれ谷繁が中日に必要とされ、3018という驚異的な数の試合に出場したことは紛れもない事実。

記憶に新しい選手で2500試合以上出場した選手は、2009年引退の立浪和義が2586試合出場し、2012年引退の金本知憲が2578試合出場しました。

現役選手では広島、新井貴浩が2040試合ですが、谷繁とは1000試合近い差があり、谷繁が35年ぶりに更新したこの出場試合数の記録を射程圏内にとらえる選手はいません。

ただし、野村は谷繁に「50歳まで現役を続けられる」と語っていましたが、現実的には今年か来年が選手生命の限界でしょう。現在のペースでは今年は40試合ほどしか出場できず、プロ入り初の50試合割れは確実で記録も3100台には届かないでしょう。

しかしこの先15年以内に記録が破られる可能性はなく、谷繁は驚異的なプロ野球記録を残したといえます。