とても大きな二次被害と被害者への心の負担 学校とジェンダー スクールセクシュアルハラスメント編(3)

なぜ防げない?スクール・セクシュアル・ハラスメント―アンケート調査に見る教職員の実態 (シリーズ・論 1)

性犯罪全体に言えることですが、こういった性犯罪は被害者が責められることはよくあります。これを二次被害と言います。「あなたが否定しなかったからじゃないの」「前から思ってたがスカート短すぎるんじゃないか」。

被害を訴えた場合、相談した人や調査している時など何度も同じことを聞かれたりした被害者もいるようです。更に友人からは「あんたは先生の人生をめちゃめちゃにした」と言われ、男子生徒からは取り囲まれて「セクハラされたやつ」と言われた被害者もいます。このように、身近な人から被害者が加害者について責められたり、被害を受けたことを何度も言われることは問題です。

前述した九州の市立中学3年生の剣道部女子生徒は、わいせつ事件の発覚当初ある剣道部員の母親から、女子生徒が火曜学習塾の前で待ち伏せ、車に乗せられ、こう言われました。

「本当のことを言いなさい。今なら私が校長に謝ってあげる」

このように、部活の指導をしている人をかばい被害者を責めるような言動をする人は少なくありません。

また、学校での被害にも関わらず、学外でこのように声をかけられることは、被害者にとって落ち着かない状況でしょう。狭い地域だから言いづらい、おおごとにしたくないと被害者が思ってしまうのは当然の心理だと言えるでしょう。

被害者や、被害者を守ろうとする周囲の人にも嫌がらせが及ぶこともあります。

九州の剣道部女子生徒の例では、被害者を守ろうとしたPTA会長の女性までが周囲からの嫌がらせにあったといいます。小学生だったPTA会長の女性の子どもが見知らぬ男に母親の名前を確認されて「どうなっても知らないぞ」と脅される出来事まで起きました。その後子どもは転校せざるを得なくなりました。

同僚の教師や講師、保健室の教員など、被害者を守ろうとする人たちが嫌がらせや脅迫被害に遭うこともあります。