男の子は被害に遭わない? 学校とジェンダー スクールセクシュアルハラスメント編(4)

白書 スクール・セクシュアルハラスメント

性被害は女性や女子の被害が目立ちますが、男子は被害に遭わないのでしょうか。

愛知で、偶然女子が男子の着替えの場面に出くわした時のこと。その男子と女子は言い争いになりました。その後話し合いの場面で、担任の教諭が男子の着替えについて「気にする価値はない」「男の裸は金にならないが、女子の裸は金になる」という発言をし報道されました。

この時男子児童の着替えが見えてしまったことは偶然の出来事でしたが、こういった女性の裸には男性の裸よりも価値があると考えてしまうのは、言葉にはしないものの、一般社会に浸透している考え方なのかもしれません。

それには、女性の身体を性的に見るということが浸透してること、女性の身体がそれだけ性的に扱われていること、性的なイメージを付けられた女性の身体を扱ったテーマの写真、文章、映像などのメディアが男性のものよりもかなりあふれていることが原因なのかもしれません。

けれども、男子児童・生徒もセクシュアルハラスメントやスクールセクシュアルハラスメントにあう可能性はあります。そして少なからず被害を受けた人々もいます。

例えば、東京・三鷹市の公立小学校の教諭が都内で男子児童の裸の写真を撮影したなどとして、強制わいせつなどの疑いで逮捕された事件がありました。パソコンには6年ほど前から児童の裸の写真が保存されていたり、体を触られたと話す児童もいたりということがありました。

また、教諭ではありませんが、徳島の少年野球の指導者がキャッチボールをミスした男子児童を全裸にして小学校のグラウンドを走らせた、ということもありました。この指導者は写真も撮影しており、少年野球の監督を辞任するとともに写真も削除したということです。

こういったように男子児童や男子生徒も被害に遭う可能性はあるのです。

少年野球など、学外スポーツの習い事は女子向けのものより男子向けのスポーツやチーム数が多い印象にあります。また東京都などの高校生2346人が学校を通じて回答した2004年の性暴力被害実態調査では、「過去に被害を受けたことがある子どもの割合は、女子に比べ数は少ないものの、一定数見過ごせない割合の男の子が被害を訴えており、わいせつ被害自体にも男の子の被害を視野に入れていく必要があると思われます。男子児童や男子生徒もスクールセクシュアルハラスメント対策をしておくことは、被害に遭わないようにするためにも必要でしょう。また、男女限らずにどんなことがスクールセクシュアルハラスメントか、セクシュアルハラスメントか、ということを知っておけば、被害にあった時に気づきやすいですし、社会に出た際に加害者にならないためにもその知識が役立つのではないでしょうか。