ファミコンソフト体験記「キョンシーズ2」
今回紹介するゲームは「キョンシーズ2」(1987、タイトー)です。みなさんは、キョンシーって知っていますか?1980年代後半に中国発の映画「幽幻道士」などで注目された中国版ゾンビのようなものです。
この作品はこの「幽幻道士」の登場人物を中心にして作られたオリジナルストーリーになっています。なお、タイトルに「2」と書いてありますが、「1」はありません。「1」を「幽幻道士」として、その続編をゲームにしました、という意味で「2」なのだそうです。
ストーリーというものが特にあるわけではありませんが、街に登場したたくさんのキョンシーを退治しつつ、その原因を探り、親玉を退治するといった話になっています。
さて、ゲームシステムのほうですが、このゲームは基本的にRPGとアクションゲームの融合となっています。中にはアクションアドベンチャーゲームに分類する人もいるようです。
基本的なMAPの移動はRPGで代表的なドラゴンクエストのように2DMAPを動き、民家やお店に入り情報を得たり、装備を買ったり、時には必殺技を教えてもらったりします。
準備を整え、ダンジョンに向かうとそこでは横スクロール型アクションゲームとしてプレイすることになります。
パンチやキック、ジャンプにしゃがむなど、多彩な動きを駆使しつつ、ダンジョンを進んでいきますが、画面上部に各パラメータがあり、RPGでよく出る経験値こそありませんが、体力値を示すゲージや攻撃力、防御力を示す数値もあります。そのため、一撃でやられることはほとんどなく、ダメージの蓄積によってゲームオーバーを迎えることになります。
ゲームシステム面のお話をここまでにして、実際のゲームの中身について少し触れますと、正直な話、当時のゲームにはよくありがちな「攻略情報がないと手詰まり」になることがほとんどです。つまりゲーム上の情報だけでは、何をしたらいいかよくわからなくなります。もちろん、当時はこういったインターネットというものはそれほど普及していなかったため、攻略情報は専ら攻略本、またはゲーム雑誌に限られていました。
また、基となっている映画は基本路線がホラー映画であるため、小さな子供たちにあまり認知されていなかったことから、友達が知らない→友達が持っていない→ゲーム自体知らない→プレイしていない→攻略情報について情報交換できない、となり、子供たちにとってはより一層攻略が難しいゲームとなっていました。
街ゆく人に語り掛けてもストーリーを進める上で必要な情報はほとんどなく、どちらかといえば説明書の補足的な情報がほとんどを占めています。
さらに追い打ちをかけるのは、お店です。
同じお店が複数あり、キャラクターが誰なのかによって、優遇されたり、冷遇されたりします。(どれほど差があるかについてはみなさん自身の目で確かめてください(笑))
しかも時間経過とともに迫る、身の危険。ゲームスタート時はお昼ですが、時間経過とともに夕方になり、夜になります。
夜になると、何もしていなくても急に敵であるキョンシーが町中にあふれかえり、接触すると有無を言わさずアクションパートに突入です。
右も左もわからない状態の初見プレイヤーはまずここで一度倒れることでしょう。
こういったゲームですが、慣れてしまうと面白く、ボス戦の難易度も相応でバランスよく作られたゲームです。MAP自体がそれほど広くないため、ダンジョンで迷子にならない限りセーブにも困りませんし、お金に困っても救済措置があります。
挫折した昔と違って、インターネットによる情報共有が確立した今現在、今一度トライしてみてはいかがでしょうか。
今ならきっとクリアできるはずです!
ただし!
各キャラクターでクリアできても真のエンディングは見れません。
4人のキャラクターをすべてクリアして初めて見れるようになっています。
時間がかかりますので、その点だけはお気をつけて・・・。