土木の設計図作成の基本

図面の読み方がやさしくわかる本

二次元で描く設計図

今回は少し話を変えて、土木の設計図について触れてみたいと思います。設計図は、その構造物を施工するために書くものですから、施工する人が解り易い図面にする必要があります。これは土木に限らず、他の分野の設計図でも同じことです。

ほとんどの設計図は二次元で表現しますが、土木の設計図も同じです。15年程前までは、紙と鉛筆や定規を使って手書きでそれを表現していました。設計会社に入社すれば、まず、定規を使って線を引いたり、鉛筆で数字を書く練習をずっとさせられます。慣れていない人が引く線はかすれていて、肉が詰まった線では無いので見栄えがしないからです。それが今では、パソコンを使い、二次元汎用CADソフトで作成しますので、CADの操作が出来れば誰でも同じような図面を描くことが可能です。

3方向から描くのが基本

設計図は、その構造物がどんな形状をしているかが解らなければ意味がありません。二次元の世界でそれを表現するための基本は、3方向から見た図面を作成することです。上から見た平面図、横から見た側面図、前から見た正面図、あるいは、平面図と縦方向に切断した場合の断面図と、横方向に切断した場合の断面図の3種類の図面で表現するのが基本です。それは道路のような大きなものでも、コンクリートで造った1m四方の小さなものでも同じです。

道路の場合ですと、平面図、縦断図、横断図がそれにあたりますし、道路で使う側溝や桝なども、それを取り出して3方向から描いて表現し詳細図とします。構造が複雑な場合はさらに1部分を取り出して、また3方向から描くこともします。この3方向から描くことを覚えておけば、施工する人が困らない図面を作成すること出来るでしょう。描いた3方向からの図面が幾つもある場合、一枚の図面上にどう配置するかによって、見栄えや解り易さは変わって来ます。

センスが必要なところもありますが、CADだとどうにでも配置可能なので便利ですね。