二次元汎用CADの利用
データの統一性
土木の設計図を、二次元汎用CADを使って描くようになった当初は、JW_CADというフリーソフトを使う企業が多くありました。JW_CADはもともと建築系のCADソフトでしたが、フリーソフトという事で土木業界でも爆発的に広がり、みんながこぞって使い始めました。その後、パソコンのOSがMS_DOSからWindowsに変わり、土木業界でも統一性が叫ばれるようになりました。CADソフト毎にデータ形式が違うため、データのやり取りが出来ない、あるいは、データが化けるなどの問題が発生したからです。
その後、国交省が推進した建設CALS/EC によって、使われる二次元汎用CAD ソフトも絞られて来て、今現在はAutoCADとV-nas(ヴィーナス)という汎用CADのどちらかを使っている企業が多くなりました。
CAD利用による利便性と苦労
フリーソフトのJW_CADと違い、両者とも導入するためには経費が必要になります。バージョンアップも毎年行われるので、企業としても大変です。ただ個人としては、どちらかをマスターしていれば、会社を変わっても大丈夫という面もありますね。土木技術者は、今では土木技術と設計手法をマスターするのに加えて、CADの操作を覚えないといけないので、世の中変わったな~としみじみ思います。ただ、パソコンが主流になった時も、土木のこと以外にパソコンの操作やエクセルの機能を覚えないといけなかったわけですから、同じだといえば同じですけどね。
反面、CADオペレーターやパソコンのオペレーターを雇えば、土木のことが解っていなくても図面が描けたり計算が出来るわけですから、作業の分担が可能となり、助かっている部分もかなりあります。それに一番の恩恵は、図面の修正が楽になったということでしょう。土木の場合、道路が通過する地元住民の意見や、仕事を発注する側の考え方の変化により設計が変更される事がよくあります。そんな時、昔だったら消しゴムで消して書き直さなければならず、何度も消していたら破れてしまうこともありましたので、かなり便利になったことは確かです。