全国特産品味めぐり 北海道 バフンウニ、ムラサキウニ
海の幸の最高峰は何といってもウニでしょう。日本では全国各地でウニが獲れ、それぞれの美味しさがあります。しかしやっぱり北海道のウニは最高です。日本で食べられているウニは6種類だそうですが代表品種はバフンウニとムラサキウニです。北海道のバフンウニの美味しさを訪ねてみましょう。
稚内からフェリーに乗って約2時間で着く利尻島では、碧い海に囲まれ、緑の木々に覆われた美しい利尻富士を見ることができます。海抜0メートルから1700メートルまでの登山道は豊かな森林とどこまでも広がる日本海を眺めることができる最北の国立公園でもあります。この雄大な利尻富士の山麓に育つブナや白樺などの森が様々な栄養分を育み、それらが川から海への流れ、うにの好物の昆布が育つ恵まれた環境が残されているのです。だから、利尻島では海岸からそれほど離れていない浅い海底にバフンウニやムラサキウニが栄養たっぷりに育つのです。
ウニの旬は意外と夏であることを知っている人は少ないのでは。
魚介類が一番美味しいのは、大体産卵前です。バフンウニも6~8月ごろが産卵前で苦みがなく美味しい旬の時期となってます。
ウニはお寿司屋さんでよく木の板に乗っている寿司タネを見かけます。これはウニの身(卵巣)を板に並べてミョウバンをかけて固めて輸送しお店に届くもの。寿司タネとしては高級でとても美味しいのですが、利尻島ではこの何十倍も美味しいウニを食することできます。板ウニはミョウバンがちょっとウニの味を変えてしまいます。
利尻島の料理店や旅館では、海から獲ってきたばかりの生きたウニをだしてくれます。まず獲れたてのバフンウニの殻を割り、中の身(卵巣)を取り出します。その身のなんときれいなオレンジ色の鮮やかさに驚かされます。バフンウニの特徴は身の美しさにもあります。いくつかの殻を割り、盛り付けられたウニを何もつけずそのまま口に入れます。まさに口の中でとろける食感と濃厚な甘みが口いっぱいに広がります。ほのかな磯の香りも絶妙な味わいを加えてきます。これぞウニの究極の味。だれもが感激して、最高の幸せに感動します。
利尻島の夏は本州と違い、さわやかな風と透き通った陽の光がとても心地よい季節です。生のウニの美味しさはこの季節にこの場所で食べることが自然界の約束事のように存在しています。是非一度。