土木事業とは?

2015年8月1日

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皆さんは「設計」という言葉を聞いた時に何を思い浮かべますか?おそらくは多くの人が「建築設計」のことを考えるのではないでしょうか。

確かにマンションの設計や家(マイホーム)の設計のように、身近に感じられるものが存在しますのでそう考えるのも当然でしょうね。ひとつの事業として見た場合でも同じで、「建設事業」といえば建築のことを考える人が多いでしょうが、「土木事業」と「建築事業」を合わせたものが建設事業なんですよ。建築事業がマンションや公共施設などの建物を造るのが主なのに対して、土木事業は皆さんが毎日何気なく利用したり目にしている道路や橋、トンネル、上下水道、鉄道、空港、河川、公園など、人々の生活の根幹(土台)となる部分を支えている事業なのです。

土木という名の由来は?

そもそも何故、土木という名前で呼ばれるようになったのでしょうかね?電気や機械などに比べて「土木」という言葉は抽象的で漠然としている言葉だと思いませんか?

土木と呼ばれるようになったのは、「築土構木」という中国の古語から来ているという説があります。「土を盛り木を組む行為」ということでしょうかね。日本語だと抽象的な言葉でも、英語だと土木工学のことをCivil Engineeringと呼び「市民や社会のための学問」と直訳できるので、人々の生活を支えているということが分かりますよね。

土木と土木技術者の未来

昔から土木は人々の生活を陰から支えて来ました。中でも荒れた土地を耕し、用水路などを築いた農業土木の分野や、治水、治山、砂防などの事業の分野でそれは顕著に表れています。そして現在では、高速道路網や新幹線の整備が進みましたので、最近のトンネル事故などを受けて、これからは既存施設の維持管理や補修補強に予算を掛けるべきとの声があります。

また、日本は地震や自然災害が多く、その復旧事業は土木がかなりの部分を占めている状況から、新たな技術の開発も必要となりますし、国内だけにはとどまらず、世界の国々への技術提供や後進国の開発に力を入れている企業もありますので、土木技術者は世界中で活躍出来る機会を持っています。

SF映画のように、将来的に人間は地下や海の中で生活しなければならない時代が来るかもしれません。そんな時に必要とされるのが土木技術者です。更には、宇宙開発や他の星へ移住しなければならなくなった場合などでも、活躍するのは土木技術者です。
このように人々が集まり暮らしていく場所がある限り、土木事業は無くなることはありません! 土木技術者はいつでも活躍する場所を与えられるのです!