定期テストの意義
学校生活を送っている子供たちに定期的に訪れるイベントとして、定期テストがあります。定期テスト期間中には、各科目の学習が十分に進んでいるかどうかが集中的に評価されます。定期テスト直前になると、一夜漬けで勉強をする生徒が出てくるほか、塾などで定期テスト対策講座が実施さるなどの取り組みがみられます。
ところが、学習は本来、継続的に行うべきものです。そのため、特定期間に集中的に能力を測定する試験を行う意義はあるのでしょうか。毎週小テストを実施し、定期テストを廃止するなどの取り組みのほうが良いのではないか、という意見も見られます。
確かに、継続的な学習を求めている以上、テストも継続的に実施することには意義があります。ただ、継続的な小テストを実施するにせよ、定期テストを実施することにも意義があります。
まず、定期テストの実施によって、計画的に学習する力が養われます。定期テストは特定の期間に集中し、テスト勉強を兼ねた課題の提出などがある場合もあります。こうした場合、どの日にどの科目のテストが実施されるのかを意識しながら勉強を進めないと、「捨て科目」と呼ばれるような、勉強をしないでテストを受ける科目が出てきてしまいます。定期テストの実施によって、特定科目の成績だけが極端に悪くならないよう、計画的な勉強を促すことができます。
また、定期テストには、真の学力をとらえやすい性質があります。小テストのように範囲が狭いテストでは、短期記憶としてインプットした情報さえあれば高得点をとることができます。しかし、より範囲の広い定期テストになると、短期記憶のインプットだけでは、撮れる点数に限界があります。そのため、定期テストを実施し、中期や長期の記憶として定着しているかどうかを測定することができます。生徒は結果を踏まえ、自らの学習姿勢を見直すことができます。また、先生の側にも、自分の指導がうまくできているのかどうかを、生徒の答案を採点しながら振り返る機会が生まれます。生徒、先生の双方が必要に応じて反省し、それ以降の学習の質を上げることができます。