学校で学ばなくても、子どもの周りにはたくさんの性の情報があふれている 学校とジェンダー セクシュアルマイノリティ編5

もっと知りたい!話したい!セクシュアルマイノリティありのままのきみがいい〈2〉わたしの気持ち、みんなの気持ち

学校で教えられない場合、性の知識を得るのは、友人、知人などの知識や、コンビニなどでもすぐに手に入るメディアの情報です。

メディアでは、性的な動画や画像がインターネットで見ることは容易いですし、コンビニなどでは嫌でも成人男性向け雑誌の陳列が目に入ってきます。普段生活するうえで、子どもたちは幼いころから触れてしまう環境にあるのです。

つまり「過激な」「偏った」と判断されかねない情報を当たり前に受け取っているのです。

高校生における性に関する知識の情報源は、女子が学校や雑誌、男子はインターネットが有意に高いというデータがあります。他の資料では性交に関する情報源としては、中学生、高校生、大学生のいずれも「友人・先輩」を情報源とするという人が多く、続いて、「学校」「インターネット」「マンガ」 となります。性交の情報源は、中学校から大学生まで、いずれの学校段階でも、「友人・先輩」が最も多く、それに続くのが、「学校」「インターネット」「マンガ」となっています。避妊の情報としては「友人・先輩」が多いものの、それを上回って「学校」に頼っています。 高校生・大学生ではともに、1位学校、2位友人・ 先輩、3位インターネットの順です。いずれも男女差 があり、女子では「学校」を、男子では「友人・先輩」 「インターネット」を情報源とする回答が多いです。

つまり学校教育が性の知識を教える役割は大きく、インターネットやマンガ、友人知人から性の知識を得ています。けれども、インターネットやマンガ、友人知人の情報は過激であったり、誤情報があったりします。やはり学校教育が性教育に果たす役割はかなり大きいのです。

2008年の調査では同性愛の授業など学校教育の経験率は「一切習っていない」54.2%、「異常なもの6.1%、「否定的な情報」17.3%、「肯定的な情報」18.2%でした。2014年の調査では「一切習っていない」41%、「異常なもの」「否定的な丈夫」は合わせて30%と学習経験率は上がったものの、学校の授業等で自己のセクシュアリティを否定される経験率も上がっています。これに加えて学校での日常生活などの「隠れたカリキュラム」で否定的な事を学ぶ機会もまだまだ多くあると思われます。

できれば、多様な家族のこと、多様な性の在り方、実生活に合った性の知識などを教えてもらえれば、もっと性を肯定的にとらえ、自分の性を大切にする人が出てくるという考え方もできるでしょう。