試験監督は試験会場のどこに立つとよいか
入試の際には、試験監督がいます。試験監督は会場のどこに立つ(あるいは座る)のがもっとも良いのでしょうか。
立ち位置を考えるにあたっては、試験監督の役割について整理しておく必要があります。まず、試験時間中の試験監督の役割は大きく分けて2つあります。1つは、気分が悪くなったり、筆記用具などを落としてしまったりして試験官に用事のある受験生を早期に発見することです。筆記具をなかなか試験官が拾わなかったために受験生に不利益が生じたり、緊張のあまり体調を崩してしまった受験生を放置してしまったりといった事態が発生しないようにすることが大切です。
また、カンニングなどの不正を防止することも大切です。試験で不正が見過ごされてしまうと、まじめに取り組もうとしている受験生の意欲が失われてしまいます。電子機器の不正利用や答案用紙の交換などはもってのほかですが、隣に座った人の答案をのぞき見るなどの行為は、実際に不正を行ったことが証明しづらいため、未然に防止する必要性が特に高いです。
こうしたポイントを考えると、受験会場全体が見渡せる位置にいることと、受験生に対して、不正防止のために監視されているという意識を与えることが大切です。また、いくら受験会場全体を見渡せるからといって、試験会場の中央付近にいると、周辺の受験生の邪魔をしてしまう可能性があります。机間巡視をする方法もありますが、通路が狭い場合などには、十分に行えないことが考えられます。さまざまな事情から総合的に判断すれば、試験監督者は、受験会場の後ろ側の隅にいるのが比較的望ましいと考えられます。前にいても全体を見渡すことはできるのですが、受験生の側から試験官の位置が明確に把握できてしまいます。そのため、まじめに試験に取り組む大多数の受験生を考えると問題ないのですが、不正を働こうとする受験生にとっては、試験官のスキを狙いやすい環境になってしまいます。試験官が会場の後方にいると、自分の行動がいつ見張られているかがわからないがゆえに、不正を働きにくくする効果があります。