小学生教育と保護者のかかわり
教育をするにあたり、保護者がどの程度かかわればよいのかは悩ましい問題です。関わりすぎると子供の自立が遅くなり、逆にかかわらなさすぎると愛情不足になるのでは、と懸念されるからです。ここでは、小学生教育と保護者のかかわり方について取り上げます。
小学生、特に低学年の子供は、まだ保護者が守ってあげる必要があります。低学年のうちは保護者のいうことを素直に受け入れる子供が多いほか、学校などでも深刻な友人関係のトラブルが発生しにくい状況です。また、子供はつらい状況に追い込まれても、先生や保護者などにストレートに助けを求めるケースが多いです。
保護者のかかわり方が難しくなってくるのが、子供がストレートな甘え方をしなくなってくる中学年以降です。このころになると、子供たちの間で学業成績やスポーツの才能などの差が目立ってきます。また、学校での友人関係のトラブルも次第に複雑化します。この段階では、保護者はきちんと様子を見守ることが大切だといえます。というのも、保護者のいうことを素直に聞かない子供でも、まだまだ他人に頼らないと生きていけない年代です。精神にかかるストレスをすべて自分で受け止めるにはまだ子供だとも言えます。したがって、たとえ反発が見られたとしても静かに見守り、甘えるなどのサインが見られた場合には、適度にフォローして挙げると、子供の心の緊張もほぐれやすくなります。
高学年になってくると、自分で行動できる範囲が増えてきます。また、保護者が学んでほしいと思うことを受け入れなくなるケースも多くなります。こうした場合には、保護者はさらに一歩距離を置き、無理に近づきすぎないことが1つのかかわり方です。あまり無理をして近づきすぎるとかえって反発を招き、親子関係を悪化させてしまいかねないからです。
いずれの段階にも共通して言えることは、見守られている安心感を子供に与えることです。子供は安心していれば、本当に困ったときに保護者に助けを求めやすくなります。