道路の基本構造による計画の違いとざっくりの工事費

2015年8月13日

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道路は土工計画が基本

日本の高速道路はトンネルと橋梁が多いと言いましたが、道路はトンネル部と橋梁部、そして土工部から出来ています。土工部とは切土や盛土をして造られている箇所の事で、土工とは土を動かす、土を扱う工事の事です。一般的には河川や既存の鉄道の上などを通過する場合以外は、道路は土工で計画するのが基本です。

深い渓谷を通過する場合は無条件で橋梁計画となりますが、それほど深くない谷の場合だと、橋梁計画にするか盛土計画にするかは比較検討を行い決定する必要があります。盛土計画とした場合は必然的に高盛土箇所となるので、すべり破壊などの危険性の検証が必要ですし、雨水が集まって流れ込む箇所でもあるため、しっかりとした排水計画が必要となります。

そうした箇所は、トンネル工事で発生した土砂や岩塊、切土工事で余った土砂などを捨てる土捨場として利用される場合もありますが、いずれにしても、盛土や基礎地盤の安定と雨水の排除に注意を払うことが肝要です。

また、土工計画では、一つの工事区で切土量と盛土量のバランス(土工バランス)を図るのが最善の方法と言えます。そこで発生した掘削土を盛土に利用出来て、捨土処理やよそから土を運ぶ必要がない計画が理想です。

道路構造による工事費の違い

土工計画とトンネルや橋梁計画とでは工事費に大きな違いがあります。一般的な往復2車線道路の場合、土工部の工事費は、擁壁工事が必要になったり盛土の安定や切土法面の処理にお金が掛かっても、1m当り60万円~100万円程度でしょう。

橋梁の場合ですと、橋長や基礎地盤により変わってきますし、トンネルの場合もその断面の大きさや、岩盤の硬さ、地下水量などにより変化しますが、両方とも1m当り300万円~500万円くらいになると思われます。

トンネルと橋梁ではどちらが工事費が高いかということですと、条件により違ってきますので一概に言えません。海に架かるような長い橋梁ですと、吊り橋などの構造となり工事費は高くなります。