橋梁計画について(1)橋梁の材料による区分と特徴
橋梁の形式は造られている材料で区分すると、鉄筋コンクリート橋注1、プレストレストコンクリート(PC)橋注2、及び鋼橋に区分されます。
コンクリート系の橋梁の特徴としては
- 現地産の材料を有効利用でき架橋地点の状況に合わせて現場製作が可能
- 耐久性に優れ鋼橋の塗装のような維持費が不要、ただし補修が難しい
- 自重が重く剛性が大きいので振動や騒音は少ない、ただし自重が重たいので下部構造が割高となる
- PC橋は鉄筋コンクリート橋より桁高が低く断面も小さいため自重の面で有利、また支間も鉄筋コンクリート橋より長く出来る
鋼橋の特徴としては
- 材料が均質で製作の精度も高い、構造物としての信頼度はコンクリート系より高い
- 構造形式が多種多様で環境にマッチした形式を選定可能
- 自重が軽く架設が容易、また下部工費を軽減できる
- 現場作業が少なく施工管理がコンクリート系より安易
- 維持費はかかるが補修は容易
などが有ります。
(注1)鉄筋コンクリートについては土木を勉強すれば最初に習うことです。コクリートは圧縮力には強いが引張力に弱いので、引張りが生じる側に引張力に強い鉄筋を配置して補強したコンクリートのことです。
(注2)コンクリートは引張力に弱いので、引張りが生じる側にPC鋼線を使用して、コンクリートにあらかじめ圧縮力を与えた状態(プレストレス)とし、荷重を受けた時に引張応力の発生を制御する構造となっているコンクリートのことです。
一般的に鉄筋コンクリート橋よりPC橋の方が支間は長く出来ますし、PC橋よりも鋼橋の方がさらに長く出来ます。ちなみに支間とは橋台と橋脚あるいは橋脚間の長さになります。
ある河川を横断する橋梁を計画しようとする際は、どの種類にするかは比較検討して決定しますが、中小河川の場合だとPC橋が多いと思います。
大河川を横断するような場合だと長い支間が必要になりますが、鋼橋だと維持管理が必要になり河川だと実状として無理ですので、PC桁で長い支間が可能な箱桁橋が良いでしょうね。
鋼橋の場合は、道路同士の立体交差で、支間が長くなる場合によく用いられますね。