中高一貫教育のメリットとデメリット

新版 学び合いで育つ未来への学力―中高一貫教育のチャレンジ― | 南風原 朝和, 衞藤 隆, 汐見 稔幸, 佐藤 学, 浦野 東洋一, 酒井 邦嘉, 苅谷 剛彦, 市川 伸一, 今井 康雄, 東京大学教育学部附属中等教育学校 |本 | 通販 | Amazon

日本の教育は、小学校6年、中学校3年、高校3年という組み合わせが主流です。しかし、中学と高校が3年しかないことについては、学校生活を楽しむ期間が短くなってしまうとの指摘があります。こうした指摘に対応する形で、中高一貫教育をお行っている学校があります。

中高一貫教育は、生徒を囲い込むことで利益の拡大を図る私立学校を中心に行われて着ましたが、近年では国公立の学校でも中高一貫教育を提供するところが増えてきています。中学校の後半を受験勉強にあてる代わりに、クラブ活動をはじめとするさまざまな有意義な活動にあてることができるほか、学習面でも、中学、高校それぞれの範囲にとらわれずに学ぶことができるメリットがあります。

では、中高一貫教育にはデメリットはあるのでしょうか。

まず学習面でのデメリットとしては、高校卒業時に学力の差がつきやすいことが挙げられます。中学と高校が別々であれば、高校に入学する段階で入試が行われ、ある程度学力に応じて通う高校が決まります。しかし、中高一貫教育では中学校を卒業すればそのまま学力に関わらず高校に進学できるところもあり、高校を卒業する段階で、中学レベルの学力すら十分にみについていないといった事態が起こる可能性があります。

また、学校生活面でのデメリットとしては、友人関係が固定化しやすいことが挙げられます。もっとも、この点は親しい友人ができた場合に、中学・高校を通し手長い付き合いができるというメリットとも考えられます。しかし、多様な人間と触れ合う機会を重視するのであれば、中学とは別の高校に通うことで大きく異なった2種類の学校生活を送る機会が失われるといえます。

さまざまな点でのメリットが指摘されている中高一貫教育ですが、当然ながらデメリットもあることがわかります。中学校に入学する際には、中高一貫教育のメリットとデメリットを両方理解した上で、自らに合った教育方式を選択することが求められています。