ファミコンソフト体験記「大怪獣デブラス」ゴジラ?を倒すのではなく如何に逃げるか

大怪獣デブラス1

今回紹介する作品はこちら、「大怪獣デブラス」です。プレイしたことのある人ならわかると思いますが、陰ながらの名作です。

この作品は戦術型シミュレーションゲームです。この頃のRPGやシミュレーションゲームのほとんどは主人公が弱者から強者へとステップアップしていくタイプのものでした。しかしながら、この作品は最初から最後まで弱者のままなのです。

それに従ってゲームシステムも弱者向けの「倒す」から「逃げる」システムになっています。当時としては斬新な上、ゲームバランスも非常によく、弱者であっても団結することで倒せる敵がいたりとよくできています。強くならないなら面白味がないじゃないかと思われる方もいるかもしれませんが、それは違います。

弱いながらにも兵種が増え、抵抗手段が増えていきます。それを以下に用いていくか、それがこのゲームの醍醐味です。

さて、気になるストーリーですが、舞台は日本を模擬した土地になります。海岸に打ち上げられた巨大な卵、調査をすると古代鳥「ヤセギュルウス」の卵であることがわかります。この卵を孵化させるべく、ふみ山まで運ぶことになります。そんな最中、その卵を追いかけるように海岸から一匹の巨大な怪獣が現れます。ゴジラをイメージしたかのようなその登場シーンをみるとわかるように、ちょっとぽっちゃりしていますが、凶暴性はそのまま。卵を移動させながら卵を守ることがこのゲームの最大の目的となります。

大怪獣デブラス

ゲームシステムについてですが、前述のとおり戦術型のシミュレーションゲームとなっています。まずはサイコロを振ってそのターンで卵の輸送車が動けるマス数を決めます。つまり毎ターン輸送車の移動範囲が変わることになります。固定ではないため、戦略性にも大きく影響します。その輸送車を動かすと同時に周囲の地球防衛隊のユニットを動かし、時にはデブラス等を攻撃し、足止めしていきます。

デブラスは原則的に倒れることはありません。ダメージが蓄積するとその行動力が鈍ります。従って、卵輸送車を逃がすために、地球防衛隊ユニットはデブラスと戦闘することも一つの手段となり得るのです。

MAPは狭い道が網の目状に広がっているため、入り組んでおり、道を気にせず走るデブラスは道通りにしか走れない卵輸送車を先回りすることもあります。そうされないようにユニットを配置し壁にすることも必要になってきます。

大怪獣デブラス2

さて、このような作品ですが、ゲーム中の会話は非常にユニークで様々な映画などのオマージュ的要素が多く含まれていることや作画が漫画風になっていることも含めてクスリと笑ってしまうこともしばしば。ゲームとして面白いだけではなく、読み物としても楽しいこの作品、プレイする機会があればご堪能ください。