途中駅での乗務員交代の目安とは?
長距離を走る列車を中心に、途中駅で乗務員が交代することがあります。では、どのくらいの距離あるいは乗車時間で乗務員は交代するのでしょうか。
まずは乗務員交代が行われる意義を考えます。乗務員が長時間乗務を続けると、次第に疲労がたまっていきます。疲労して集中力が低下したまま乗務することは安全性に問題がありますよね。
では、乗務員を頻繁に交代すればよいかといえば、そうでもありません。まず、乗務員交代には一定の時間が必要となります。せいぜい1分程度ではありますが、わずかな時間が積み重なれば、列車の速達性が徐々に損なわれていくこととなります。また、交代頻度が高いと、ダイヤ乱れの際などに途中駅で交代要員が不足し、車両はあり、信号も青なのに発車できないという問題が生じかねません。交代駅をいくつかに限定しておけば、常に乗務員数に余裕が生まれやすくなり、いざという時にも大体の乗務員を確保しやすくなります。
さて、こうした乗務員交代について理解が深まったところで、交代時間の目安をチェックしましょう。目安としては、60分程度が妥当ではないかと思います。というのも、長距離列車であっても60分運転すれば、主要駅に到着できるケースが多いからです。主要駅には乗務員が待機する設備を設置するなどの十分なスペースがあることが多いです。また、主要駅では乗降客が多いことから、乗務員交代の有無にかかわらず停車時間が長くなる傾向があります。この停車時間を利用して乗務員を交代すれば、無駄な停車時間の発生を防ぐことができます。
気になるのは、地方部を長時間走り続けるローカル線です。そもそも走行速度が遅いことに加えて、主要駅はなかなかやってきません。交代頻度が下がってしまうことはやむを得ないですね。安全性が担保されるのか、といいたくなるところですが、こうしたローカル線の多くは単線のため、途中駅で行き違い待ちが発生します。この際に休息をとり、安全運転に役立ててもらえればと思います。