3科受験と4科受験の違い―どんな子が3科向き?

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中学受験に当たっては、3科目受験が認められている中学が多くあります。いっぽう、社会の受験が認められる4科受験との選択型の学校も少なくありません。同じ学校を受験するにしても、3科受験するのか4科受験するのか、選択を間違えるとせっかくの合格チャンスを逃してしまいます。果たしてどんなタイプの子が3科受験に向いているのでしょうか。

まず、社会が苦手(≒コツコツ覚えるのが苦手)なら3科受験を迷わず選択してください。学習できる時間には限りがあるため、社会にあまりにも長い時間をかけすぎていると、肝心の国算理の勉強時間がなくなってしまいます。さすがに国算ができていないと合格可能性は大きく下がってしまうので注意しましょう。

また、科目間の成績バランスが良いなら、3科受験を選択するとよいのではないでしょうか。というのも、受験は毎年、科目ごとの難易度にばらつきが生じます。そのため、特定科目で他の子と大きな差をつける戦略だと、得意科目の問題が易しければ戦略失敗となります。こうした戦略で臨むなら、リスク回避のために科目数を増やし、社会を含めた4科受験をするのが得策です。ところが、科目バランスが良ければ、特定科目に依存していないため、科目間の難易度バランスが悪い年にあたっても、問題なく合格しやすくなります。3科受験のほうが勉強すべき内容が少なくて済むだけに、バランスに自信があるなら社会なしで受験してみましょう。

さらに、処理スピードが遅いなら3科受験を選択すべきです。ただ単に学力が不足していて遅いなら、志望校を下げるしかありません。しかし、小学生の中には、時間をかければ理解できるタイプの子もいます。こうしたケースでは、学力をつけるまでが大変です。できるだけ科目数を減らして着実に実力を伸ばし、ハイレベルな入試問題にも対応できる力をつける必要があります。スピードが遅い子の場合は、学力が足りないのか、そもそも物事をするスピードが遅いだけなのか(のんびりタイプなのか)を判断し、3科と4科のどちらにすべきかを判断しましょう。