私立小中への補助金は適切か

プレジデントFamily (ファミリー)2016年 01 月号 | |本 | 通販 | Amazon

公立小中学校は、国民の税金が投入されて無償化されています。いっぽう、私立の小中学校では生徒から授業料を徴収しています。授業料の高さが指摘されることも少なくありません。しかし、私立学校に対しても、国から一定の補助金は支給されているのです。公立学校に無料で通う権利があるにも関わらず、わざわざ私立での教育を選択する生徒や保護者に対して、補助金を支給することは適切なのでしょうか。賛否両論ある問題だと思いますので、それぞれの主張を整理してみたいと思います。

まず、私立への補助金が適切とする立場に立つと、私立学校も学校であることは変わりなく、文部科学省の指導要領を踏まえた教育が行われていることから、一定の補助金が支給されるべきだといえます。教育機関を選択する自由は保護者や生徒に与えられるべきであり、自由な選択をしたからといって、資金投入の対象外になることは筋が通らない、との主張がありますね。

その一方で、私立学校は公立学校よりも充実した教育プログラムを設けていることが多いため、富裕層の子どもが通うケースが少なくありません。こうした所得の高い層の子どもたちが通う学校に補助金を出し、高い教育を受けさせれば、さらに教育格差が広がるのではないか、という意見が見られます。

いずれの意見にも一理ありますが、現状で大きな問題が発生していないことから、ある程度公立学校と私立学校がすみわけをしながら、子供たちにより良い教育を提供できれば、と考えています。私立学校であれば行事が豊富で様々な体験ができる傾向がある一方で、公立学校で経験できるような、地元の友人と遊びまわる、といったことが小中学校時の経験から欠落してしまいがちです。多くの費用をかけるかどうかで教育の質が決定するとも限らず、また高品質と大人が考える教育を受けさせることが、すべての子どもにとって最善とは言えません。したがって、過度な教育格差が生じることを防ぎつつ、生徒や保護者が最適な教育を選択できる機会が設けられるような補助金支給体制を続けてもらいたいと思います。