専願入試の活用法
入試には、他の学校に合格すれば、合格しても進学の必要がない併願入試と、合格すれば必ず入学することを約束する専願入試があります。入試の大半は併願入試です。そこで、割合としては少ない専願入試をどのように活用すべきかを考えてみましょう。
専願入試では、併願よりも偏差値が低めになっていることが多いです。そのため、少しでも偏差値レベルの高い学校に行きたい、という場合は、専願入試を設定している学校を探してみましょう。場合によっては、チャレンジ校とされている学校でも専願入試にすることで安全圏に入っていることがあります。特に複数回にわたって入試が行われる学校に興味がある場合は、併願/専願それぞれの偏差値をしっかり確認しておくことが大切です。
また、入試日程のチェックも大切です。もし最初に受ける入試で専願を選択すれば、合格すると同時に進学先が決まってしまいます。いっぽう、2番目、3番目などに受ける入試であれば、先に他の学校に合格した場合には、専願入試の受験を回避することができます。専願であっても合格しなければ入学の必要性はありませんから(入学資格がない)、専願入試に出願しつつ、他の学校に進学することもできますよ。
ただし、専願入試を利用する場合は注意が必要です。偏差値が低め、というイメージを先に持ちすぎると、勉強のモチベーションが下がることがあるからです。せっかく必要な偏差値が下がってラクになったはずが、モチベーション低下によって再び合否ぎりぎりラインになってしまうことも考えられます。専願の偏差値レベルを目標とすることは望ましくないのです。あくまでも併願入試に合格できそうなレベルを目指しつつ、合格可能性を高めるために賢く専願を利用しましょう。中学受験の場合であれば、子供には「併願で出願した」と言っておいてもよいかもしれませんね。結果的に合格できれば子供にとってもハッピーです。特に年齢が低い中学受験の場合は、子供にすべての受験戦略をありのままに伝える必要はありません。塾などとも相談しながら、賢く専願を利用してよりよい学校への進学を目指しましょう。