床山の仕事とは

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床山とは、一般的には歌舞伎や舞台などで使われる、かつらを作る職業として有名ですが、大相撲の世界では、髪の毛を結う専門の職業で、日本相撲協会の職員として位置づけられています。床山も力士と同じように相撲部屋で生活することになります。定員は50人、定年が65歳と決まっており、美容師関係の資格は要りませんが、未成年の志望者のみ採用しています。つまり、定年まで勤めると少なくとも45年間、この仕事に携わることになります。ちなみに元力士が床山として再就職したケースもあります。力士は、関取まで昇進すると土俵上で大銀杏を付けることができますが、それ以下の場合は丁髷となります。これらの髷を作るのが床山の仕事で、基本は相撲部屋ごとに専門の床山がいます。ただし、相撲部屋が閉鎖した場合などは他の部屋に転籍することもあり、最近では朝日山部屋に所属していた床誠が部屋の閉鎖に伴って浅香山部屋に転籍しています。

床山は普通、「床~」のような名前が付けられ、それは相撲部屋の名前からとったり、本名からとったりしています。また、階級も6つに定められており最高位は特等床山で、現在は宮城野部屋の床蜂と春日野部屋の床松の2人だけです。それ以下は一等床山から五等床山の順になっています。昇級するか否かは、勤続年数と成績の2つの要素のみで決まっています。ちなみに、入門してから3年間は見習い床山として、その間に仕事に必要な技術を磨いていきます。見習い期間が終われば自動的に五等床山からスタートします。勿論、階級ごとに給料も決まっていますが、特等床山でも月給40万円以下で、勤続年数を考慮しても割安な方ではないかと思います。基本的に、昇級すればするほど、番付の高い力士を担当できるようになります。

大銀杏を結うには、すき櫛や髷棒などの独特な道具を用いている上、力士によって髪の質や量が異なるので、数を多く熟すなどして技術を高める必要があります。つまり、床山は町工場のスペシャリストに近い職業と言っても良いのではないかと思います。