大相撲の生観戦体験談について

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大相撲は、NHKの総合テレビで午後3時ごろから3時間、衛星放送で午後1時から5時間放送されていますが、国会中継や高校野球のような他のスポーツ中継などが入った場合は短縮されて最短だと50分程度です。実際には1日の本場所の興行は朝8時45分ごろから始まり、午後6時まで9時間程度あります。ただし、取組数が少なくなる13日目以降は開始が11時前になるものの、それでも7時間程度です。そこで、普段テレビなど相撲中継で見るのと、生で見るのとの違いを体験談に基づいて説明したいと思います。

まず、取り組みは番付が低い序ノ口力士や前相撲という番付に載らない力士から順に始まります。このあたりの力士は高卒や大卒で入門して直ぐのケースが多く、中には中学校を出て入門した力士もいます。明らかに普通の人と変わらない体型で、一礼して塵を切る仕草をする等の、相撲の所作が分からずに困惑する新人力士を見る度に自分の新入社員時代で右も左もわからず、上から扱かれながら鍛えられた経験と重なり親近感を覚えました。これは、行司や呼出に対しても同じで、行司が軍配を間違えて上げるシーンや呼出の声が明らかに異なるシーンなど、新人たちが作り出す独特の、雰囲気の中で行われる取り組みは早い時間だからこそ見ることができる特典と言っても良いと思います。この時間帯は、まだ、お客さんも少ないのでじっくりと見ることもできる上、力士の息遣いや廻しを叩く音などが遠くから聞いても、はっきりと聞くことができます。時間が経つほど座席が、どんどん埋まっていき、十両土俵入りの頃には座席も、かなり埋まってくるため、取り組みは見えにくくなってしまいますが、ものすごい熱気や歓声が直に伝わってきます。特に遠藤関のような人気力士に対しては土俵入りや取り組みの際に急激に空気が変わることが実感できると思います。人によって異なりますが、それほどファンでなくても周りと一緒になって力士を応援するという違った楽しみ方もできるのではないかと思います。

以上のように生観戦は、テレビなどで観戦するのとは、また違った楽しみ方を見つけることができる機会ではないかと思います。