天覧相撲について

[大日本雄弁会講談社]の紀元二千六百年昭和天覧試合

まず、天覧相撲とは天皇陛下が観戦された際に行われる本場所の相撲のことをいい、皇后陛下や皇太子殿下が観戦する相撲は天覧相撲ではありませんが、台覧相撲といいます。最近では、1月場所が対象になることが多く、ここ2年間は初日で幕内後半の取り組みが天覧相撲となりました。

天覧及び台覧相撲になると、取り組みの形式や進行が少し異なります。例えば土俵入りは円形になって登場するのでなく、御前掛と呼ばれる、全員が一斉に正面を向く形で登場し、呼ばれた順に一例をして退場する形式に変更されて行われます。また、結びの一番の際に行司がいう言葉で、「打ち止め」でなく「結び」を使います。また、取り組みを行っている当の本人である力士達の心情が変わって、張り手や変化のように相手に対して、失礼で卑怯な取り組みをすることが少なくなります。

何時、天覧相撲になるかは事前に公開されることはないので、生で観戦して、そのような場面を見ることができたら、かなり幸運ということになります。テレビで見る機会の方が多く、2階正面の最前列にある、貴賓席という特別観覧席から相撲観戦する天皇皇后両陛下の様子を「今日は天覧相撲か。珍しいな」という感覚で中継を見た人も結構いらっしゃるのではないでしょうか。形式としては正面玄関から入場して相撲協会の関係者の先導を受けながら特別観覧席入って相撲を観戦します。この際、取り組みの解説が行われますが、それを担当するのは相撲協会の理事長で、29年1月現在、第61代横綱北勝海の八角親方です。

今のように一般客が出入りする場所で天覧相撲が開かれたのは、今から62年前で、それまでは皇居で別途開催される形式でした。従って、昭和天皇が最初ということになり、昭和天皇はかなりの好角家だったことから、両国国技館ができる前の蔵前国技館時代を含めて40回も生で観戦していました。その際に、決まり手が間違っていることを指摘して修正されるほどでした。

このように天覧相撲を見る機会は少ないですが、いつもとは、また違った観戦を楽しむことができると思います。