世話人とは
一般的に世話人というとある団体のリーダー的な存在になって、主に会計などの事務を担当する人の事を指しますが、大相撲にも世話人という職業がありますが、これとは役割が少し異なります。具体的にどのような仕事を熟しているかといいますと、年6場所の本場所では主にチケットのチェックなどを行う木戸係や役員室での雑用を中心に行い、土俵で使われている塩やタオル、巡業の際に用いられる稽古廻しなどの競技用具を運搬・管理を担当しています。
これになるのは元力士で、幕下まで昇進していることが最低条件ですが、年寄名跡を取れなかったため、親方になれず、かつ20年近く現役生活を送っていた力士が就任するケースが多いです。定員は13人で最近では2年前に現役を引退した元幕下の錦風が就任しましたが、それまでに現役土俵生活を21年間勤めていました。ちなみに現役で働いている世話人の内、関取まで上がったのは前頭2枚目まで上がった元斉須関など4人しかおらず、幕下まで昇進して成るケースが多いことになります。また、先述した元斉須関は30年以上、在籍しておりベテランの人も多いと思われますが、20年以上勤めているのは5人です。
世話人は、同じく日本相撲協会の職員である若者頭と仕事の範囲は似ており、現役時代最後に使っていた四股名のまま呼ばれていることが多かったり、定年が65歳までだったりする点も同じで、現役時代と同じように相撲部屋に所属している点も共通しておりますが、立場としては若者頭の方が上位で、この若者頭の仕事である、取的力士の生活面のサポートや本場所での怪我をした力士を運搬したりして円滑な取り組み進行の作業を補助的な立場で担当することもあります。また、所属している相撲部屋では部屋全体の日程調節などの事務的作業を熟す世話人もいます。
このように世話人に求められる仕事の範囲は相撲全般に及ぶ上、若者頭の部下的な位置づけで働くので、マルチに動くことができ、1つ1つの業務をチームとして熟していく力量が問われる職業ではないかと思います。