調理パンの種類と魅力
調理パンとは、パンに何かを入れたものを指す
調理パンとはパンと別に調理したものを組み入れて作られたパンのことをいいます。調理したものにはソーセージ・焼きそばのように痛みやすいものがあるため、賞味期限は普通のパンよりも短くなる傾向があります。ちなみに、調理パンと同様に普通のパンと区別されている菓子パンはパンの表面に甘い味付けを施してお菓子的な要素に加工したパンの事を指すので、調理パンとは別の物とされていることが多いです。また、例外としてパンを作る過程で2次発酵の前に生地を巻いて作成するロールパンも生地にバターを混ぜて作っていることから調理パンとして区分されることもあります。最近、スーパーなどでマーガリン入りのバターロールが置いているものがありますが、これは立派な調理パンとなります。
調理パンの種類は様々あります
先述したとおり、調理パンは基本のパン生地に具材を入れて作ったパンのことで、よく耳にする惣菜パンも、この調理パンの1種となります。
具体的な種類としては、まずサンドイッチは食パンの生地に、トンカツなどの肉類やレタスなどの野菜や卵などの具材を挟んだパンです。挟む具材によって卵サンドや、カツサンドのように「~サンド」と呼ばれます。最近では、後述するハンバーガーで用いている具材として人気のベーコン・レタス・トマトの3種類をサンドしたBLTサンドが定番とされています。また、種類によってはホイップクリームを塗った所に缶詰めのフルーツを挟んでいるフルーツサンドのようなデザート感覚のサンドイッチもありますが、これも調理パンに1種として区別され、菓子パンには該当しないとされています。
次にホットドッグはコッペパンにソーセージを挟んでマスタードやケチャップなどのソースをかけて食べるパンの事であり、オーストリアではカレー味のホットドッグとしてボスナという種類もあります。また、同じコッペパンに焼きそばを挟んで作ったパンが総菜パンとして有名な1つとされている焼きそばパンです。
ハンバーガーはバンズと呼ばれる丸パンに、牛肉などで作られるパティを中心に、先述したサンドイッチのような具材を挟んで食べるパンのことで、サンドイッチの1種とされています。現にマクドナルドではハンバーガーはイングリッシュマフィンで同じような具材を挟んで作るマフィンと同じようにサンドイッチの1つと捉えられているほどです。ちなみに、あまり馴染みがないと思いますが、フルーツサンドのようにホイップクリームとフルーツを具材としてサンドしたハンバーガーが存在していて、スイーツバーガーとして数年前から一部で話題になっています。
コロッケパンはパンにコロッケを挟んで作ったもので、中にキャベツが入っているものが多いのが特徴です。このパン生地には、これまで取りあげてきた食パン・バンズ・コッペパンなど様々です。
カレーパンは丸パンをベースとしたパン生地にカレーの具材を包んで揚げたり焼いたりして作るパンのことで、ここで用いられるカレーはたれないようにペースト状になっていることが多いです。これと同じ手法で作られているものとしてロシア料理として有名なピロシキが上げられ、肉や野菜、チーズなどを入れて焼いたり揚げたりして作られます。日本では揚げパンの1種として食べられていることが多いです。
最後に、イギリス料理として有名なミートパイもパイ生地の中に牛肉ベースのひき肉を入れて焼いたものなので調理パンとして区別されることがあります。
調理パンを構成するパン生地は基本的に7種類で作成される
ここまでで、列挙したパン生地として、食パン・丸パン・コッペパン・イングリッシュマフィンの4種類を上げましたが、これらのパン生地が、どのように違うのかを取り上げたいと思います。
まず、基本的にパン生地は中力粉などの小麦粉、パン酵母のことでパン生地を膨らませるイースト、このイーストの栄養として使われる砂糖などの糖類、パン生地の発酵具合を制御する食塩、水の5つがあれば作ることができます。ただし小麦粉は強力粉と薄力粉のように2種類使われることもあります。
この基本種類だけで作られたパンは固いので、フランスパンのような硬いパンは別として、
全体を柔らかくするためにバターなどの油脂類と香りを引き立てるためにスキムミルクなどの乳製品も使用されています。同様の役割として焼くに卵を塗るケースもありますが、先述した4種類は、この7種類の材料で作られており、基本形に該当するのが丸パンになります。
パンを作る際に材料を混ぜた後しっかりと捏ねて1回目の発酵を行い、粉をまぶしたところに作成したパン生地を打ちつけてガスを抜いてから必要なサイズに分割してから2度目の発酵を行います。このあとに、そのまま生地を焼くと丸パンが完成します。焼く前に溶き卵を塗って、白ゴマを振っておくとハンバーガーで用いられるバンズになります。
食パンの場合は2度目の発酵が終わった段階で長い箱型にパン生地を詰めて焼いて作ります。コッペパンの場合は1度目の発酵が終わった段階で、麺棒などでパン生地を細長い形に伸ばしておき、焼く前にパン生地に牛乳などを塗って作ります。
イングリッシュマフィンの場合は油脂類にマーガリンやバターでなくラードを使うことが多く、2度目の発酵の前にコーンミールという乾燥させたトウモロコシ粉を用い、焼く前に上からプレスして成形しておくことで作ることができます。
このように、調理パンで用いられているパン生地は小麦粉・イースト・糖類・食塩・水・乳製品・油脂類の7種類で作られ、丸パンをベースに作られる工程で形を整えたり材料を少し追加したりすることでベースの4種類のパンを作ることが可能です。
調理パンの魅力は食事として成立するなどの利便性にある
調理パンの魅力は菓子パンと同じように買って来たら封を開けるなどして、すぐに食べられる手軽さにあると考えられます。調理パンに入っている具材も肉やフライ、卵や野菜などの惣菜が入っているものが多く、フルーツサンドなど一部を除いて朝食やおやつだけでなく、昼食や夕食としても食べることができるので、仕事などで食事の時間があまり取れないビジネスマンなどにとっては十分な食事の1つとして成立するのではないかと思います。さらにコンビニやスーパーで売っている調理パンでは、焼そばパンやカレーパンの場合、1個当たりの値段は、おにぎりと同じか少し高めの100円台の物が多く、種類によって異なりますが、おにぎりのように、海苔の小さいかけらなどで机が汚れるリスクは少ないと思います。ちなみに他の調理パンも通常サイズで単品の物を選べば100円台の物が多く、肉や卵、野菜などが入っていたり、フルーツやクリームが入っていたりして種類が多いサンドイッチでも200円台の物が多いです。サイズも通常の物を選べば、コンビニなどのおにぎりと同じ感覚で食べられるので、場所を気にせずに食事できるという利点もあるのではないかと思います。買ってきて、すぐ食べることが多い為、先述したような賞味期限が短いというデメリットはあまり感じられないのではないでしょうか。
また、大きいサイズを選べば、ボリュームも豊富になるので、部活の休憩時間や昼休憩にさっと食べられるので学生の食事としても満腹感を得られやすいことから便利だと考えられます。ただし、栄養面を考えると焼きそばパンやハンバーガーよりは、卵や野菜が入っている種類のサンドイッチを複数選んで食べた方が良いと思います。
このように、調理パンには場所を気にせず、短時間で食べることができる手軽さや、値段の安さ、さらには菓子パンのようなデザート感覚だけでなく、1日の主食としても食べられる点から食事の1つとして1度は食べてみる価値はあると考えられます。