ホットケーキミックスで作れるお菓子とメリット・デメリット
ホットケーキミックスには何が含まれているのか
まず、ホットケーキミックスとはホットケーキを作るための粉末材料のことで、単にミックス粉と呼ばれたり、HMと略されたりすることもあります。この粉の特徴は独特の味や匂いが既につけられていて、それは、この粉には小麦粉、砂糖、ベーキングパウダーの他に水あめや油脂などが含まれているためと考えられます。ちなみにベーキングパウダーとは、クッキーなどの焼き菓子に使われる膨張剤の1つで、別名膨らし粉とも呼ばれています。この中に含まれる重曹によって炭酸ガスを興して生地を膨らませることになりますが、これだけでは、入れた生地が変色したり、膨らみが不十分だったりすることが多いため、大抵は、ここにミョウバンやリン酸ナトリウムといった化学物質が複数加えられているのが特徴です。なお、パン生地のパン酵母も同じように作った生地を膨らませることでは共通していますが、パン酵母はイースト菌で作られるので、ベーキングパウダーのように人工的に膨らませるのではなく、自然の力で膨らませているという違いがあります。
また、ホットケーキミックスの味や匂いは森永製菓や日清製粉などメーカによって若干違ってきます。また、中には抹茶味などの味付けが始めから、あるホットケーキミックスもあります。ちなみに先述したミックス粉にはパンケーキ、蒸しパン、クッキーなどを作るためのものも存在しています。
ホットケーキミックスを用いたホットケーキの基本的な作り方と食べ方の紹介
そもそもホットケーキはホットケーキミックスを用いる作り方としては、卵と牛乳を混ぜたところに、このホットケーキミックスを混ぜて生地を作成してフライパンやホットプレートなどで焼くという流れで、生地を裏返すタイミングや、あまり生地を混ぜないことに気を付ければ簡単に作ることができます。このケーキを2~3段ほど重ねたところにハニーシロップやメープルシロップなどのシロップ系をかけてバターを上に載せて食べるパターンが多いと思います。こうすることで、ホットケーキ生地のバニラ味がシロップの甘味とバターの脂味で引き立って最高のおやつとして美味しく頂いた記憶を持っておられる方もいると思います。
また、本当のケーキのようにホイップクリームなどのクリームを段の間にたっぷり塗って、イチゴなどのフルーツを乗せて食べる方法もおいしいと思います。ただ、ホットケーキ生地が十分に冷めてからクリームを塗らないと融けてしまうので、その点は注意が必要です。
このホットケーキに近い味がするお菓子は結構多い
ホットケーキの味としては何もかけなくてもバニラ味がしっかりしているという特徴がありますが、このようなバニラ味や基本的な味付けであるシロップとバターを加えた味がするお菓子は市販されている物において他にもあります。そのいくつかを紹介しますが、いずれもチョコや抹茶のような味付けをせずにプレーンの場合での話になるので注意が必要です。
まず、スイスロールとして売られていることが多いロールケーキがあげられます。メーカによって異なりますが、ホットケーキそのものの味がしたものもありました。マドレーヌ等のカップケーキの場合は、シロップやバターが加わったケースの味と近い味わいがしました。これはバームクーヘンやザラメがないカステラに対しても同じである上、特に後者では屋台などで見かけるベビーカステラでは尚更そうでした。ドーナツ類に入りますが、カステラドーナツの場合でも油のべたべた感や食感があるものの、味はホットケーキに近いものがあります。これはプレーンドーナツに対しても同じでした。
さらに、ケーキなどの洋菓子だけでなく、今川焼やたい焼きなどにある皮と呼ばれている生地の食感や味がホットケーキにかなり近く、特にカスタードクリームやホイップクリーム入りのたい焼きを食べたときは尚更ホットケーキの贅沢感を味わえるほどでした。これらは和菓子に分類されています。
また、これまでに取り上げてきたケーキやたい焼きのように、ふんわりとある程度食感があるお菓子とは異なるバタークッキーなどのプレーンクッキーでも土台の味がホットケーキミックスに近い味だったものがあり、幅広いお菓子でホットケーキに近いような味や食感がするものがあることが分かりました。
これらのお菓子の構成要素と基本的な作り方をおさらいすると
ここまでに取り上げてきたお菓子の種類は広範囲にわたりますが、ホットケーキに近い味や食感がしたということは、生地などに用いられている材料がホットケーキと似たようなものであることが考えられます。一般的なホットケーキで用いられているのは先述したとおり、小麦粉、砂糖、ベーキングパウダーで構成されているホットケーキミックスと卵、牛乳の5つで生地が構成され、基本的な味付けまで考慮すると、はちみつなどのシロップ類、バターなどの油脂類を加えた計7つになります。これらの材料が含まれていると、チョコレートやフルーツソースなどの味付けがない限り、ホットケーキと近い味になり、調理方法によっては、それ自身と近い食感も得られると考えられます。そこで、それらについて具体的に取り上げていきたいと思います。
まずは、スイスロールなどのロールケーキに用いられているスポンジ生地は、基本、薄力粉などの小麦粉、卵、砂糖、バターなどの油脂類、牛乳から作られることが多いことから、かなり近い結果が得られることになります。なお、ベーキングパウダーを入れる所と入れない所がありますが、これを入れなくても人手などの記述で生地を膨らませることが可能な上、化学物質を使わずに済むため、必要なものではありません。現に、同じようにスポンジ生地で作られているショートケーキなどの場合は入れないことが多いし、この生地はホットケーキとは、また別の味のことが多いです。
次に、バームクーヘンの場合は薄力粉などの小麦粉、卵、砂糖、バターなどの油脂類、牛乳、はちみつ、ベーキングパウダー、コーンスターチから作られることが多く、この方が基本のホットケーキに近い食感と味が得られる可能性があります。なお、コーンスターチは記事にとろみをつけるためのもので、水溶き片栗粉の役割に近いですが、ベーキングパウダーとは異なり、それ自身に味が含まれていないので、入れても味に影響が及ぶとは考えにくいです。ちなみにパウンドケーキやバターケーキもこのバームクーヘンと同じお菓子の部類に入り、それらの基本材料は薄力粉、砂糖、ベーキングパウダー、バター、卵、バニラオイルであり、作り方は、焼く前に、しっかりと生地を混ぜるため食感は違うことが多いですが、ホットケーキとかなり近い味が得られると思います。バニラオイルを入れるとバニラ味になることから、牛乳の濃い味に近いものが得られると考えられます。マドレーヌ等のカップケーキもこの材料が基本材料となる上、混ぜ方も全体的に混ざる程度の所が多いことから、ホットケーキと近い味や食感が得られたのだと考えられます。
ベビーカステラの場合は、小麦粉、卵、砂糖、塩、はちみつ、ベーキングパウダー、牛乳、サラダ油が基本的な材料となり、サラダ油はベビーカステラが、たこ焼き器のような機械を使い、焼くときに敷くものです。混ぜ方も先述のカップケーキと同じなので、似たような結果が得られると期待されます。ちなみにカステラの場合は、卵、砂糖、小麦粉、牛乳が基本材料で、薄力粉を使えば食感が近づくことから、ホットケーキに近い味や食感が得られたと見られます。
カステラドーナツの場合は、材料は基本的に薄力粉、ベーキングパウダー、卵、砂糖、牛乳、揚げるための油としてのサラダ油ですが、揚げないタイプのカステラドーナツもあり、その場合はホットケーキの生地と全く同じになるため、脂っこい感じを除けば近い味や食感が得られたのも納得です。ちなみにプレーンドーナツの場合は、先述した材料に、最後に味付けするための砂糖やシナモンなどを加えた形が基本になるので、同様の結果が得られると考えられます。
次に、和菓子のたい焼きや今川焼きは同じ種類で、皮の部分に用いられる材料は共に、薄力粉、砂糖、卵、牛乳、ベーキングパウダーが基本的に用いられています。そして生地を作る所まではホットケーキの時と同じなので、中身がないものに対しては、食感も味もほとんど変わらないことになります。ただ、実際は焼くときにあんこやカスタードクリームなどを入れて作っています。
最後にプレーンクッキーに用いられる材料は薄力粉、バター、卵、砂糖、ベーキングパウダーを用いるのが基本であることから、味だけを考えればホットケーキとは完全に異なるとは言えないのではないかと思います。ちなみにベーキングパウダーを使わずに牛乳を使ったパターンのクッキーの場合はしっとり感のあるクッキーになり、食感も少し近づくことが期待されます。
他にもホットケーキミックスを用いても作ることができるお菓子はある
これまで取りあげてきたお菓子類は、ホットケーキミックスを用いて作ることができますし、実際にそれを用いて簡単に作る方法も一部紹介されているほどです。それら以外にもホットケーキミックスを代用して簡単に作ることができるお菓子も幾つかあります。
例えば、ワッフルならば、ベーキングパウダーで生地を膨らませて作るアメリカンワッフルの場合、材料はベーキングパウダーの他に薄力粉、バター、卵、砂糖、牛乳、サラダ油があれば作れるので、代用可能と言えます。ちなみにサラダ油は焼くときにフライパンなどに敷くものです。
パン類の1つであるスコーンも基本は小麦粉、ベーキングパウダー、バター、砂糖、牛乳で作られているため、生地を作るときに卵を使わずにバターを入れることに注意すれば十分作成できます。
さらに、食感がホットケーキとはかけ離れたものの例としてクッキー以外にもタルトやシュークリームなども作ることができます。前者で用いられるタルト生地は、クッキーと同じ材料を用意すれば作ることができ、後者で用いているシュー皮も材料がバター、卵、小麦粉、サラダ油さえあれば作成できます。同様にビスケットの材料もクッキーと近いため、作ることができる上、この生地が用いられるメロンパンもホットケーキミックスでもできることになります。
和菓子でよく知られている饅頭のうち蒸し器で作る蒸し饅頭の皮も場合によってはホットケーキミックスで作ることができる可能性があります。この材料は、普通は薄力粉、砂糖、炭酸、水などをベースにして作られますが、ベーキングパウダーを炭酸の代わりに用いているものと考えられます。ベーキングパウダーで膨らませていることが多い蒸しパンの場合は、さらに代用可能と言えると思います。
ホットケーキミックスはお菓子作りの材料の1つとして便利といえるのか
これらのように、小麦粉・砂糖・ベーキングパウダーを使うお菓子の場合にホットケーキミックスを使っても、それらの材料の代わりになるため、それら3つの材料を揃えなくても、色々な種類のお菓子を作ることができる上、チョコレートや抹茶味を付けるなどのアレンジも手軽にできるというメリットがあると思われます。しかし、同時に含まれている水あめや油脂などの味が強いという特徴もあるため、何も味付けをしないプレーンバージョンの場合はホットケーキ味のクッキーやショートケーキなどになってしまい、本来期待されている味とは異なったものができる可能性もあるため、本格的なお菓子を作る際は、面倒でも先述した3つの材料を揃えて作った方が良いと思います。余裕があれば、ホットケーキミックスを使った場合と普通に使った場合とで味や食感がどのように違うのかなどを比較してみるのも面白いのではないかと思います。