ペペロンチーノとレトルト焼きそば

ペペロンチーノは旨辛味のスパゲティでおいしいが作るのは少々面倒

まず、ペペロンチーノとは、正式にはアーリオ・オリオ・ペペロンチーノと呼ばれるイタリア料理の1つで、ナポリタンのようなソースをスパゲティなどのパスタにかけて頂く料理となっています。この名称の意味は現地のイタリア語でアーリオがニンニク、オリオがオリーブオイルなどの油、ペペロンチーノが唐辛子を表すことから、スパゲティなどの麺類にかけるソース部分を指しているものとされますが、料理としては麺類まで含まれているのが普通です。

そのペペロンチーノはどのようにして作るかというと、スパゲティを大きめの鍋に湯をたっぷり入れて沸騰したら投入し、塩を多めに加えておき、肝心のソースは先述した3つの材料を用いて作成します。にんにくはみじん切り、唐辛子は種を取る等の下処理をした後、フライパンにこれらの材料とスパゲティの茹で汁を混ぜてオリーブオイルに味を絡ませるようにすればソースは完成し、後はスパゲティが少し固めにゆで上がったら作成したソースを絡めて完成となります。後は好みでパセリやチーズなどを加えても大丈夫です。

キユーピー あえるパスタソース ペペロンチーノ (25g×2P)×6個

このように作り方としてはスパゲティを茹でてソースを絡めるだけなので、難しくはないと考えられますが、スパゲティを袋の指示通りの時間などを少し加減して茹でたり、唐辛子の下準備をしたりする手間があるなど多少面倒な点がある上、大きい鍋がないと、そもそも作ることすらできないことから、気軽に作ることができる料理ではないかもしれません。でも、辛い物好きな人を中心にスパゲティの食感とソースの旨辛味が癖になって是非とも食べてみたいと考えている人もいるのではないでしょうか。

レトルト焼きそばとキムチでペペロンチーノの味になる可能性がある

そこで、今回は、別の材料を使ってペペロンチーノに近い食感と味を実現できる可能性がある方法を紹介したいと思います。今回用いたのはインスタントのソース焼きそばとキムチで、前者はカップ焼きそばとも呼ばれていてスーパーなどで安売りしているときは100円以下で手に入れることが多いです。後者もスーパーなどで売っていますが、種類によって、味や値段が違ってきます。例えば、東海漬物が販売している、こくうまキムチは魚介類をベースにした調味料であり、タイのナンプラーのような魚醤としっかり入った唐辛子でコクのある辛味が楽しめるタイプで値段が320gで350円ほどなのに対し、エバラ食品が販売しているおいしいキムチもコクのある辛味が楽しめるタイプですが、300gで400円と割高になっています。また、ピックルスコーポレーションなどが販売している、ご飯がススムキムチは辛さが控えめで甘辛さが楽しめるタイプになっています。

レトルトのカップ焼きそばにも定番のソース焼きそばでも、通常の味から、塩ダレや明太子味の変わったものもあります。中にはカレー味やわさびマヨネーズ味などの変化形のものも登場しています。今回は、辛子明太子のように始めから旨辛系の味付けになっているタイプを避けるために定番のソース味を選択し、同じソース焼きそばでもメーカーによってタレが粉末タイプのみの物と液体タイプの物に分かれており、液体タイプの中には日清食品が販売している焼きそばU.F.Oなど甘辛味ベースの味付けがされているものがあり、本格的な旨辛さを味わいたいので、同じ日清食品でも粉末タイプのみになっている日清ソース焼きそばを選択しました。

ペペロンチーノの味として必要なのは、先述したとおり、ニンニク・唐辛子・オイルの3つであり、これらをレトルトのソース味のカップ焼きそばで実現するためには、本体にはニンニクなどの辛味系の味が付いていないので、キムチで味をつける必要があります。従って、キムチでも先述した甘辛タイプの味では唐辛子が入っていない場合があるので、本格的な辛さが楽しめるタイプを選ぶと、よりペペロンチーノに近い味になると考えられます。これはソース焼きそば本体での付属ソースでも同じです。なので、今回は先述した、こくうまキムチを使って試してみました。このキムチにはニンニクも唐辛子も含まれており、特に後者は赤いかけらが複数ハッキリと見えるなど、しっかりと入っていることが分かるぐらいに多く含まれているものもあるので期待が大きいです。ちなみにレトルト焼きそば本体の麺は「油揚げ麺」として、予め油で揚げて作られていることが多いので、オイルは要りません。

本格的なペペロンチーノとは異なる結果になった実験

これらの材料を揃えると実験をすることができます。ただし、ペペロンチーノの麺は少し固めなので、湯切りをする時間は表示されている時間よりも少し少なめにした方が良いと思います。逆に長くやってしまうとスパゲティと同じように麺がフニャフニャに柔らかくなってしまうので注意が必要です。また、最近、湯切り時間を短くして電子レンジで加熱すると食感が良くなるという方法が一時話題になりましたが、これをすると生麺みたいな食感になってしまうので不要です。

湯切りが終わったら味付けですが、この段階でキムチをしっかりと麺に絡めて、付属のふりかけをかけたら完成です。ただし、失敗した時のことを考えて3割ぐらいの量に止め、残りは普通の粉末ソースをかけていただきました。

結果は、後者の方は味付けが濃くなって、ソースを追加しているなどしている辛い物好きに取っては満足のいく濃さになりましたが、肝心の前者に関して食感は固くてよかったが、味はニンニクと唐辛子などが濃厚で、スパイス的な辛さが中心の本格的なペペロンチーノとは異なり、キムチに入っていた白菜の甘味が結構目立つ辛味になっていて、脂っこい感じもあまり感じられませんでした。最後は両者を混ぜたところ、後者のソースの甘味が強まり、ますます遠ざかる結果になってしまいました。

今度は、白菜を入れずにキムチの汁だけで試してみるのも良いかもしれないと思いました。