最後の時まで生き抜くこと「余命1ヶ月の花嫁」
誰にでも、人生の終わりが来ることはあります。その終わりのときにいかに自分の人生を振り返り幸せだったと思えるでしょうか。後悔の全くない人生をおくれる人はどの程度いるのでしょうか。人は一人では生きていけないし沢山の人との関わりの中で生活しています。多くの人と関わり、自分の人生だけれども人のことも大切に日々の生活をなにげなくだけれども幸せにに送っているのかもしれません。
この本の主人公となる長島千恵さんはイベントコンパニオンという華やかな仕事を明るい笑顔でしていました。明るく楽しい毎日を過ごしていましたが、23歳のときに左胸にしこりがあることが分かったのです。そして、乳ガンの診断を受けました。ある展示会場で将来の夫となる赤須太郎さんと知り合います。ガンの診断を受けた頃の彼からの交際の申し出でしたがガンという病気のある自分でいいのか悩みながらも交際が始まったのです。
交際しながら、前向きに治療に向き合っていたのですが、ガンの進行がとまらず、乳房の切除という手術をする決断をせざるをえなくなります。手術をすれば治ると信じて、手術をし生きていく選択をしたのです。また、一緒にガンと、闘おうと言ってくれた太郎さんの言葉や優しさの中で日常の生活を取り戻し、資格をとり再就職するまでに至りました。その頃は病気のことは自然と忘れた暮らしをしていました。
しかし、激しい咳などの身体症状が現れて医師のところに行くと、肺や骨にガンが転移していることが分かったのです。
そして、24歳という若さで様々な人との温かな繋がりのあるなかで最後の時を迎えました。
ドキュメンタリーにもなっていて、ドキュメンタリーでは、千恵さんのきれいなウエディングドレス姿もあり、切なくも幸せな二人の姿があります。
誰もがいつどのような病気になるかは、もちろん自分でも分かりません。病気になってもどう受け入れて生活していくのか、病気で生活スタイルが変わることはあるかもしれません。けれども、病気を不幸と思わず幸せに生きていく道を探る方が良いのだろうと考えさせられる一冊です。