ケースワーカーの側に欲しい味方「プロケースワーカー100の心得」

2018年4月7日

[増補版]プロケースワーカー100の心得―福祉事務所・生活保護担当員の現場でしたたかに生き抜く法 | 柴田 純一 |本 | 通販 | Amazon

ケースワーカーというとどのような仕事のイメージでしょうか。この本を読むことで初めてケースワーカーの仕事を知る人もいるかもしれません。生活保護制度のなかでどのような役割を担い仕事をしているのか、とても分かりやすい言葉で書かれています。実際に仕事をしている人には、ちょっと読みたいときにそのばしょを読んで仕事に役立てることもでき、心もすっきりする内容です。具体的には章ごとの構成になっています。
それぞれの章で以下のように具体的なことが書かれています。

まず、第一章では、ケースワーカーとは、何をする物なのかということでケースワーカーは制度を適用し、その場に身をおき、事実を認定する者でありさらに、自己決定を助けたり人の生活を支える者であること主な役割が書かれています。

第二章では、プロケースワーカーの正しいやり方として、とにかくあわてない、面接は人の話を聞くこと、受容とは相手のいいなりになることではない、始めに基礎的ニーズを把握する、ケースワーカーの仕事は交通整理だ流れていく道をつけること、手持ちの資料のなかに新しい事実がある、あることは証明できるないことは証明できないといった項目で実際の場面に起こりそうなことが細かく書かれています。また、心は目に表れるので面接の前に鏡を見ることなどのちょっとしたポイントもあります。そして、何が起きても自分のせいではないと思うことと、ケースワーカーの気持ちがきちんと安定するような項目もあります。

第三章では、生活保護法の解釈と運用をめぐる覚書きとして、実施要領に精通すること、保護とは扶助だけのことだはない、福祉事務所には出かけていく義務がある、自立を保護の要件と解してはならない、出来ないことを指示してはならない、稼働能力を有り無しで考えないこと、あるべきことはできることではない、処遇方針を決められない人がいてもいい、ケースワーカーが何でも代行しなくていい、名刺がわりに基準表をわたすとよい、争いになってもいい、ケース診断会議とは儀式であるという項目だてで書かれていて生活保護の運用で困ったときのお助けになる項目が詰まっています。

第四章では、したたかに現場で生き抜く法として、仕事が楽になる工夫ならいくらしてもいい、何でも生活保護で解決しようと思ってはならない、訪問先は密室である、全ケース均等に仕事をしなくていい、いつも営業マンであれ、不愉快なときは感情を出していい、ケースワーカーは本の少し抜けた顔ができるといい、等といった項目があり気持ちが前向きになれます。

社会福祉のニーズの多様化に伴い、生活保護の受給者も様々な人がいます。そのなかでケースワーカーとして働いていくためのポイントが詰まっています。現役のケースワーカーが側に置いておき、少し困ったり悩んだりしたときに頼りになるような本です。