介護者が変わる時代「迫りくる「息子介護」の時代28人の現場から」

2018年4月7日

迫りくる「息子介護」の時代 28人の現場から (光文社新書) | 平山 亮, 解説 上野 千鶴子 |本 | 通販 | Amazon

介護というと、高齢者となり自身で歩けなくなったり、身の回りのことが出来なくなったときに、介護保険サービスや親族の手をかりて行うものというイメージが一般的であり、デイサービスや訪問介護の事業者の車も町中で良く見かけるようになってきています。
介護というと、誰が主な担い手となっているでしょうか。この本ではその介護の担い手と地域について等介護の事例と現場や課題が書かれています。

著者の平山氏は、社会老年学や社会心理学を学んでおり、認知症研究にも携わった経歴があります。そのような著者の聞き取りでは社会のなかでどのように考え生活し介護をしているのか適切な事例解説となっています。

息子介護とは何か、聞きなれない言葉ではあるけれど、息子が親を介護するということです。少子化により兄弟もいなければ介護の担い手も自然と男性である息子が担うものになってきます。

息子が親の介護をするときの妻との関係ですが夫が親の介護をすれば妻が楽になるかと言えばそうでもないよいです。そこには、介護する息子と妻との夫婦の在り方の課題が出てきます。

そして、少子化の中でも兄弟もいる場合に介護責任は誰が追うのかという課題もあります。男兄弟のみであればほとんど状況は変わらないかもしれません。その中でどちらが主体的に介護するのでしょうか。また、女兄弟の場合はそれぞれ家庭があれは嫁ぎ先での介護問題もあるかもしれません。

息子の看方という言葉も使われています。男性の家事や男性ならではの見方があり、母を介護するときの男性の心のあり方も複雑な心持ちがあります。そして、息子介護者でありながら仕事を続けていくことの意味とは何か。息子、つまり男性であるからこその困難もありその反面希望もあります。

また、息子介護であっても地域ネットワークを活用したり、親の介護をするなかでの交遊関係の大切さ、家族以外とのネットワークが介護では大切な要素の1つとなっています。

息子介護という言葉は、聞きなれないけれど現実に起きている介護の在り方です。そのような介護の際に一人で抱え込まずいかに地域力や介護保険サービスを利用していくか、息子自身の生活もきちんと充実したものであることが大切です。介護する側もされる側も無理なく生活していないといつか破綻してしまいます。そのためにも、介護の現状を多くの人が理解することが大切だと分かる一冊です。