なぜ払わない、払えない?常識とは。「給食費未納 子どもの貧困と食生活格差」

2018年4月7日

[鳫 咲子]の給食費未納~子どもの貧困と食生活格差~ (光文社新書)

昨今、テレビや新聞でも給食費未納について報道されています。なぜ払わないのかテレビではお金があっても払わないケースもあると報じられていたり、給食費未納に頭を悩ませる学校、教員の姿があります。なぜ、未納となるのか、その事について言及されている本です。

衝撃的なニュースが2015年埼玉県でありました。給食費が3ヶ月未納が続いたときに給食を提供しないということを決定したというのです。このニュースはアサヒシンブンデ取り上げられました。アメリカの小学校では滞納している子どもの目の前で給食を取り上げるという事件も起きています。保護者の責任問題がそこにはあり、払わないなら食べさせないということを行うことは簡単かもしれないけれど、その未納の裏にはどのような問題が潜んでいるのか、子どもの貧困問題から見えてくる視点で書かれています。

子どもの食の視点から、目次立てて書かれていて、払わないなら食べさせない?・給食費未納の子どもの貧困のシグナル・欠食児童から始まった学校給食・給食格差と食生活格差・完全給食実現後の子どもたち・子どもの食のセーフティネットといった項目になっています。

最新のデータをもとに給食費未納問題について言及されています。子どもたちの問題として学校給食の未納は食生活がどのような状況になっているかとも関わってきています。貧困家庭の子どもたちにとって栄養バランスのとれた温かい給食は生きていくための大切な食事です。給食費が未納なのはなぜなのかその家庭の問題を考える必要もあります。
未納の原因として親のモラルの低下によるものが6割で残り3割が貧困で、その貧困家庭のなかには支援策を知らない人々もいます。また、払わないのか払えないのかの識別が難しいのです。払えるだけの資力がありながら義務教育だから給食費は無料であるべきという親もいます。また、貧困世帯には修学援助制度もありますが必ずしも活用されていません。

しかし、食生活も格差があり、貧困家庭でなくジャンクフードで育った子どもでは栄養バランスのとれた食事が苦手な子どももいるのです。嫌いなものを残してしまうことを我が儘であると一言では片付けられない現代の課題があります。

給食費未納からはただ単にお金がないからということだけで片付けられる問題ではないようです。貧困家庭で給食費未納となった場合の適切な学校のアプローチや食生活の偏りがありさらにお金があるにも関わらす未納となっている家庭もあり、未納となっている背景を子どもの貧困と食からも考えて、より健康に子どもが育つように取り組んでいくべき課題の1つとして給食費未納は継続して考えていかなくてはいけない課題の1つであることが読み取れる一冊です。