永遠の存在。「ぼく、ドラえもんでした。」

2018年4月7日

ぼく、ドラえもんでした。 (小学館文庫) | 大山 のぶ代 |本 | 通販 | Amazon

ドラえもんと言えば国民的番組で知らない人はいないのではないでしょうか。アニメも漫画も長い間愛され続けているアニメです。テレビのアニメにとどまらず、夏休みなどには映画も放映される人気です。そんなドラえもんの声と言えば、大山のぶ代さんです。しかし、2005年にドラえもんの声が、声優さんが交代となりました。衝撃的でしたがこの本を読むとなるほど、そのような理由があったのかと思える本です。

大山のぶ代さんは26年間もの長い間、国民的に人気のあるドラえもんの声を続けていました。しかし、2005年に声優が交代となり、その後自らのの想いを本にしたのです。
独特な声のためにドラ声とからかわれ喋ることすら苦痛に感じるようになったこともあったけれど、そんな時に母親が折れた心を前向きに変えて支えてくれる愛情溢れる存在であったこと、4世代13人家族に囲まれた生活など自身の生い立ちについても書かれています。

パイロットフィルムに出逢い一目惚れし、そこからテレビや映画と沢山のメディアに数多く出演し止まることなく走り続けていたのです。その中で沢山の人々との出逢いがあり、運命なのか藤子不二雄氏との出逢いもあったのです。藤本弘先生という原作者だけでなく長年ドラえもんを一緒に支え続けてきた声優、仲間達、関係者の努力や優しさも書かれており、ドラえもんの声をしていたということが沢山の人々との繋がりを大山のぶ代さんに与え続けていたことが分かります。ドラえもんが愛され続けていたように、大山のぶ代さん自身も愛され続けていたのです。子どもが大好きで、みんな私の子どもという大山さんの言葉に全てが詰まっているようで、ドラえもんは永遠にドラえもんなのだと優しさが溢れています。

大山のぶ代さんは、自身の体調を理解しドラえもんの声優を交代するという道を選びましたが、ドラえもんは存在し続け、ドラえもんの歴史の中に大山のぶ代さんは忘れられることなく存在しているのです。全ての大山さんの子どもに愛情が注がれている優しさのある一冊です。