仕事をすること、誰もが働ける環境を「発達障害の人の転職ノート」

2018年4月7日

発達障害の人の転職ノート | 石井 京子, 池嶋 貫二, 林 哲也 |本 | 通販 | Amazon

発達障害というとどのようなイメージがあるのでしょうか。とっつきにくい人、話が続くかなぁなど心配に思う人もいるかもしれません。けれども、発達障害があっても普通に暮らして地域のなかで皆さん障害のある人もない人も頑張っているのです。障害があるからどうなんだろうとか、という概念でなく一人一人の特性を考えていかなくてはいけないのかもしれません。この本では発達障害の人について特に就労について書かれています。

発達障害の人の転職回数は多目であると言われています。なぜかと言えば、職場での人間関係が上手くいかなかったり、仕事が合わなかったり、仕事の量が多い、仕事が難しい等と様々な悩みがあります。これらの悩みから仕事環境を一転させて転職をしていくのです。しかし、転職先でも同じような悩みにぶつかってしまいます。転職がキャリアアップに繋がっていないのが現状なのです。障害者雇用の難しさもあります。そののうな現実があるため発達障害の人に必要な、転職の現状がまとめられています。

内容は目次毎で分かりやすくまとめられています。第一章で発達障害の人のキャリアデザイン、第二章で精神科医からみる発達障害の人の転職、第三章で知っておきたい職場のルール、第四章で転職までの準備、第五章で転職活動の実践とその事例、第六章で発達障害の人のキャリア開発と活躍となっています。

発達障害のある人にとって転職は自信の居場所となる仕事先をいかにその企業を知り、自身の能力とあっているのか、人的な職場環境はどうなのかについても考えていかなくてはなりません。転職活動の事例では参考になる具体的な内容になっています。発達障害の人ならばこういうこともあると共感する部分もあるかもしれません。

発達障害の人も、一般社会のなかで働き生活していかなくてはなりません。そのためにも社会のなかで様々な人がいるということを忘れずに仕事をするなかでも、風通しの良い誰とでも相談しあえるような職場が必要です。競争社会とも言われていますが、競争のなかにも人間らしい思いやりや支えあいは失われてはいけないものだと気付かされる本です。