子どもを守れるのは誰なのか「愛着障害」

2018年4月7日

[岡田 尊司]の愛着障害~子ども時代を引きずる人々~ (光文社新書)

愛着行動は赤ちゃんが産まれ、生まれつき備わっている生きていくための行動です。例えば、赤ちゃんは抱っこされるのが好きだったり母親からなかなか離れようとしない子どももいます。愛着行動は子どもが精神的にも安定して、安心して育っていくためにもとても大切な行動で親子関係の構築、親の愛情によって子どもはすくすくと育っていきます。
そのようななかで、愛着行動とはなにかではなく、愛着障害が生じるのはなぜなのか愛着障害について詳しく書かれています。

目次として、第一章で愛着障害と愛着障害スタイル、第二章で愛着障害が生まれる要因と背景、第三章で愛着障害の特性と病理、第四章で愛着スタイルを見分ける、第五章で愛着スタイルと対人関係仕事愛情、第六章で愛着障害の克服と項目立てて愛着障害が分かりやすく説明されています。

第二章では、愛着障害が生まれる要因として家族関係等の養育環境の関与が大きいとも書かれています。例えば母親がうつ病等の精神疾患があったときに愛着障害が生じやすいことが多かったり、親の影響はすぐに子どもに現れます。
第三章では、親との確執や過保護すぎてもストレスに弱くなり、心の病であるうつ病や心身症にもなりやすかったり、こだわりが強かったり意地っ張り等の性格の片寄りも出やすくなり、依存性のある過食や万引きを起こす子どもがいることの説明があります。
第四章と第五章で、愛着スタイルを見分けストレスが貯まったときに人に助けを求められるのか、辛い体験を思い出すのかといったスタイルから、安定型愛着スタイル・回避型愛着スタイル・不安定型愛着スタイル・恐れ回避型愛着スタイルとに分けられています。
最後に愛着障害の克服について、安全基地である自分をありのままに受け入れてくれる家庭による回復、克服が大切であるとも書かれています。

愛着障害の回復は人それぞれの育ってきた環境があるので、自分の安全基地を見つけるのは容易なことではないかもしれません。しかし、どこかで克服しなくてはいけない課題です。愛着障害が増える今、産みの親でなくても、子どもの周りにいる大人は子どもが小さいときに何ができるかどのような気付きを持てるかが大切であると考えさせられる本です。