解決すべきことは外見だけでなく内面にもある「子どもの問題いかに解決するか」
昨今、小中学校では様々な問題があり日々いじめや学力低下等が取り上げられています。そして、いかに良い子を育てるか等のノウハウ本も出るほどです。学校の問題だけでなく、親も子育てについて悩みを抱えていることも多いのです。そのなか、この本ではスクールカウンセラーの立場の著書の魚住氏が分かりやすく子どもの問題の解決方策を探り述べています。
大阪市寝屋川市のスクールソーシャルワーカーとして活躍している魚住氏が、学校で起きているあまり知られていない部分も含めて様々な問題を解決しようと問題に立ち向かっていく姿が書かれています。
第一章では子どもは変わる、第二章で見立てる技術、第三章で抵抗を突破する技術、第四章で不登校の子どもへの対応、第五章でいじめへの対応、第六章で発達障害の子どもへの対応、第七章で非行の子どもへの対応が書かれています。
魚住氏は様々なケースを取り上げてそれぞれについて、どのような問題がありその解決のためにどう働きかけたのかを細かく書いています。そのなかで、子どもの視点に立つべし、ということを言っています。
どうしても、大人が自分本意に成りがちなところに一石投じており、不登校よりも登校していた方が良い、中退よりも学校は卒業した方が良い、それは間違った考え方ではないかもしれませんが、その事自体は子どもも良く分かっているのです。それでも親が言うように、世間一般が言うようにできないために悩んでいるのです。不登校、茶髪、暴力などの問題行動そのものに大人はとても注目してしまいます。なぜそのような行動に走るのかその核心を見ていないのです。そのため、子どもの視点に立ち問題を見つめ解決することが大切なのです。
そして、魚住氏は小中学校の現場で実際に起きている問題を解決していくために様々な経験から困難なケースも9割り以上は改善が見られたと言っています。いかに、本音の言える関係作りができるか子どもを本当に理解できているか関係の構築が大切なのです。
学校での問題は多種多様です。そのためにはスクールカウンセラーも多様な問題に対応できる技術がないとなかなか問題解決に繋がることが難しいのだと考えさせられます。子どもの目線に立ちきちんと子どもと向き合う大切さを痛感させられる一冊です。