身近な認知症も理由があった「認知症 「不可解な行動」には理由がある」

2018年4月7日

[佐藤 眞一]の認知症 「不可解な行動」には理由がある (SB新書)

認知症は今や、誰もが知る疾病となり、最近では高齢者の運転免許返納問題でも認知症の人の免許をどうするのか、といった議論がされるニュース番組もあります。高齢者の徘徊問題もあり徘徊防止のネットワークがあったりもします。認知症により様々な症状が出ますが果たしてどこまで理解しているのでしょうか。

この本では認知症の人々の行動に焦点をあてて、なぜそのような行動をとるのか、そのときに介護者が土のように対応したら良いのかが様々な事例と細かな視点から書かれています。

認知症になった人の生活での苦しみでは、本人も全てが分からなくなっているわけではないので、自身の中での葛藤もあります。

認知症により被害妄想や攻撃性が出るということもありますが、その行動の裏には理由があるというのです。金銭にこだわるパターンも増えてきます。それは、お金は生活に必要なものであるからなのですが、自分で金銭管理ができなくなってくるのです。ただ、他の様々な記憶力を伴う行動もそうですが、認知症の本人は何が出来ないのか自身を分析したりすることができず、記憶力も低下するため他の人には分かりにくい行動も出てきてしまうのです。

この本での認知症の中核症状や周辺症状について飲むと、さらに認知症の本人は仕組みがわかり、不可解な行動には理由があることが、より理解できる医学的な根拠が説明されています。

誰しもがいつなるか分からない認知症。そのためにも、認知症について正しい理解を持ち、介護する立場になってもイライラが少しでも減る介護ができたりと、少しでも幸せと思える生活スタイルが出来るような将来の不安を軽減してくれるような内容となっています。