貧困社会に変化を「脱・貧困老後」
サンデー毎日の連載にあった貧困老後から、様々な反響が視聴者からあり、その内容について現代社会の課題や構造的問題が書かれています。貧困問題についてマスメディアで取り上げられると反響は一時的にはありますが、あまり長く続かずさらにはその問題について知るきっかけとはなるものの、問題解決のために自分が何かできることがあるのか、そこまで考えてはいないことが多くどこか他人事になりがちです。
貧困というと、駅や公園のベンチや木の下の段ボールハウスに住んでいるホームレスを思い浮かべる人もいるかもしれません。河原や公園の段ボールハウスやテントで生活を送っているような貧困から脱げ出せない人々もいますが、その前にまだ間に合う貧困からの脱出についてまとめられています。また、ホームレスからの脱却を自ら積極的に行わない人もいる現実もあります。
高齢者は年金暮らしやそれまでの蓄えで生活している人が多くいます。しかし、年金といっても働いて得ていた収入と比べればもちろん減少します。そのため、本の中のアドバイスでは住宅ローンは退職金に手をつけることなく其れまでに完済しておくと、その後の生活費も住宅費が押さえられるため多少の余裕が出ます。ただ、マンションの場合は修繕費などの費用はかかってしまいます。
老後の住宅維持にもお金がかかるのできちんと住宅費について考えておく必要もあることが分かります。住居の確保は高齢者にとって大きな問題でもあり、賃貸であるとなかなか貸してもらえる物件が限られてしまったりもします。
また、健康を保つということも大切なことになります。健康であれば病院通いの心配もありません。医療費が押さえられます。ただ、高額な医療費がかかれば所得に応じ医療に限度額が設定されたりもします。クリニックに朝早くから並ぶ高齢者を見ることもあるでしょう。それが、いつの間にかクリニックの目的だけでなく、仲間ができお話をすることも楽しみにしてますクリニックに通うようになってくるのです。
この本からは、よほど余裕のある蓄えや65歳を過ぎても就労収入や不動産収入等のある人は別かもしれませんが、定年退職した人にとっては現在の社会のなかで少しは余裕のある老後を送るために読んでおくと参考になるポイントがあります。
今ある国の制度を使いながら、いかに豊かな老後を送るか、これからもたくさんの課題がでてきそうな問題ではあります。豊かな生活は人それぞれ基準は違いますが、困っていない生活していて楽しいと明るく思えるような生活水準が保たれることを願わされる内容です。