ストレスは溜めないこと「対人援助の燃え尽きを防ぐ」
世の中には色々な仕事があり、人と関わり話をすることが多い仕事や黙々とパソコンと向き合いほとんど人と話をしない仕事もあります。多くの仕事があるなかで、特に人と話をさて相談援助業務にあたる仕事として、福祉の現場で働く人や看護師、保育士、学校の先生などがあります。
この本では、様々な人と関わる仕事のなかでも、精神的にストレスを感じやすく厳しい部分があり、燃え尽き症候群いわゆるバーンアウトという病に陥りやすい仕事に焦点をあて、どうすれば燃え尽きないで仕事ができるのか燃え尽きを防ぐ方法を紹介してくれています。
燃え尽き症候群になる要因としてはストレスから来るものが多いようです。日々の仕事の中で真面目に考えれば考えるほど、出来ないこともどうしたら出来るか、自分に能力がないだけなのか、相手が納得したりしないときに自分の能力について考え、その積み重ねがストレスとなってしまうこともあるようです。人として真面目であり完璧主義な人ほどストレスを感じやすいのかもしれません。全てが完璧にいくことはないという自分の気持ちに幅を持たせることが難しいとストレスも感じやすいでしょう。
自分の気持ちと相手の気持ちの間にはもちろん差があります。そして、関係性も様々です。気持ちと関係性についても書かれていますが、気持ちというのはどこのマニュアルにものっていないものかもしれません。気持ちは人それぞれに違うので簡単にまとめることは難しいでしょう。さらに、自分気持ちだけでなく相手との関係性の中での心理的なことは、端から見ていてもなかなか理解は難しいかもしれません。
福祉や医療の仕事では組織の中で働いているからこそ良い部分もあり、組織としてお互い思いやり悩んでいる相手に声かけをして少しでも話を聞くことは、全てを理解することに繋がらなくても悩んでいる人の気持ちを少しは楽にしてくれます。
感情のコントロールの大切さが端的にまとめられた事例から分かりやすく理解でき、その時の自分の心持ちに合わせて読み返すこともできる本です。少しの悩みでも溜め込まずに解決していくこと、また、ストレス軽減により、さらに働きやすい対人援助の職場となることが大切であり、それにより働く人も援助を受ける人も気持ちが楽になるのかもしれません。全ての対人援助の働く人への気持ちを和らげてくれる内容に今働いている人もこれから働く人もためになる内容です。