スープから考えるラーメンの分類

めん 龍上海 赤湯からみそラ-メン 3食"

手軽に食べられるラーメンの基礎はスープにある

ラーメンは手軽に食べることができる上、アレンジがしやすい食事の1つといえるのではないかと思います。値段は少し高いところもありますが、市の中心駅など繁華街のラーメン店だけでなく、コンビニやスーパーなどでは、お湯を入れればすぐに食べられるインスタント系のラーメンや自分で、もやしなどの野菜や豚肉などの肉類を自由に入れて食べることができる袋タイプのラーメンが置いていることが多いので、これを買っても手軽に食べられる上、値段も数百円で、特に前者をスーパーの特売などを利用して買えば100円を切るものもあるなどリーズナブルな種類が多くなっています。

このように手軽に食べることができるラーメンは中華麺とスープをベースとし、チャーシュー、ネギ、メンマなどの具材を組み合わせた麺料理であると定義されています。ラーメンを漢字で表すと拉麺や老麺であったり、別名として中華そばや南京そばと呼ばれたりするように、麺が基礎であるのは勿論のことですが、麺が食感を楽しむ材料ならば、スープはラーメンの中で具材以上に味を長く楽しめる材料であると考えられ、このスープの味に依って入れるべき具材を決めているラーメン屋があるほど、ラーメンの骨格的要素を成していると言えるものです。今回は、このスープの味に分けてラーメンに関して記述します。

醤油ラーメンはラーメンの原型とされている

ラーメンのスープの味として広く知られている種類として醤油味・塩味・味噌味・豚骨味の4種類が考えられます。まず醤油味のラーメンは、歴史が古く今から105年ほど前に東京の来々軒で出されたのが最初とされています。また、ラーメンは地域によって異なる味付けであることから、ご当地ラーメンと最近では呼ばれていますが、このご当地ラーメンの味の種類が多いのが醤油ラーメンであることから、醤油ラーメンがラーメンの原型やベースであるとされていることが多いです。現にラーメンが醤油ラーメンの事を示していることもあるぐらいです。

このスープで用いられる醤油は濃口醤油が多いのが特徴とされていますが、同じ醤油ラーメンでも栃木県の佐野ラーメンのようなあっさり系のタイプから、和歌山ラーメンのような脂が濃厚なタイプまで様々な味がありますが、この差は先述した醤油とは別に、鶏ガラや豚骨などの動物系の骨や魚介類の骨などから出汁を取って加えていることによるものと考えられます。また、同じ地域のラーメン店でも、使う種類が異なるため、微妙に味が違うこともあり、ラーメンが好きな人にとってはラーメン店の食べ比べを楽しむこともできるのではないでしょうか。ちなみに旭川ラーメンのように寒冷地などでは背油やラードなどの油類を加えているところもあります。

醤油ラーメンに入る具材も地域や店によって異なりますが、チャーシュー、メンマ、ネギを入れるパターンが多くなっています。ちなみに、チャーシューを多めに入れたラーメンをチャーシュー麺と呼ばれることもあります。また辛味をつける要素として胡椒があり、ラーメン店では卓上に置いていたり、市販の物を買っても付属としてあったりすることが多いです。

塩ラーメンはあっさりしたスープが多く、具材のアレンジがしやすい

塩ラーメンも醤油ラーメンのように豚骨などの骨から出汁を取って使いますが、加えるのは塩ダレである上、出汁を長時間煮込むケースが少ないので、醤油ラーメンよりも透明度が高いスープになるのが特徴のラーメンです。

この塩ラーメンに用いられる具材としては醤油ラーメンのようにメンマやネギの他にも、野菜炒めで味付けした野菜や蒲鉾などの練り物などが入っている物がある等バライティーが豊富なのが特徴です。先述したような、あっさりとしたスープなのでエビやイカなどの海鮮系の具材を入れても相性が良いことが多く、海鮮塩ラーメンとしてメニューに載っている店があるぐらいです。辛味をつける要素としても胡椒だけでなく、スープの味があっさりとしていることを考えれば、辛みをダイレクトに味わえるので、一味唐辛子やキムチなどを入れても美味しく頂けるのではないかと思います。ちなみにご当地ラーメンで有名なのは函館ラーメンで袋麺でも広く普及しているほどです。

味噌ラーメンは濃厚なスープに合う具材と辛味が特徴的である

味噌ラーメンは豚骨や野菜などから出汁を取ることが多く、味噌を加えてスープを作っています。このため、味もこれまでのラーメンよりも濃厚なことが多いのが特徴で、具材もメンマやネギなどの基本的なもののほかに、濃厚な味を引き立てることを目的に、トウモロコシやバターなど甘味や、まろやかさがあるものを入れていることが多いです。辛味も胡椒の他に、唐辛子、ラー油、ニンニクなど味が強いものを用いることが多くなっています。ご当地ラーメンとしては札幌ラーメンなどが有名ですが、最近では味噌をアピールする目的などから信州味噌ラーメンなどが登場しています。

豚骨ラーメンは癖のあるスープを楽しむラーメンである

豚骨ラーメンは豚骨やゲンコツなどを強火でしっかり煮込んで骨の中の脂を取り出して作られる豚骨出汁だけを用いて作られるラーメンのことで、店によっては出汁に野菜を入れる所もあります。これだけで作られたダシは乳白色で、かなり癖のある匂いがするのが特徴で、これに入る具材はネギやチャーシューしか入っていない所もあるなど、種類が少なめになっています。しかし、ラーメン店のテーブルなどに置いている辛味は定番の白ゴマだけでなく、紅生姜や辛子高菜といった独特なものがあります。豚骨ラーメンで有名なのは、博多ラーメンや久留米ラーメンなど主に九州地方のラーメンが多い傾向にあります。ちなみに最近、寄せ鍋などの味付けの1種として少しブームになった白湯スープは出汁に鶏ガラを用いている点は異なりますが、同じ種類とされています。